先日、飲んだ帰りに小腹が減った。いや、かなり減っていた。
たこ焼きを買おう。ちょっとゼイタクして10個入りにしよう。
閉店まぎわのたこ焼き屋。
お店のお姉ちゃんは店長の指示により、「全部入れておきますね。」
15個入りとなった。
「ソース、マヨネーズ、青のりはかけてもいいですか?」
「どうぞよろしくお願いします。」
子供の頃、「たこ焼きひとパックを全部一人で食べる」というのは、一つの夢であった。(アニメ『タイガーマスク』の主人公、伊達直人も同じ夢を語っていたなあ。)
関東では、たこ焼きというものは「みんなでつつくもの」であり、ジャンクフードには違いないが「子供のおやつ」よりはちょっとだけ高級なのである。
関西の友人の家に遊びに行った時、お袋さんが「たこ焼き買うて来たで」と、僕も含めた人数分のパックをぶら下げていたのにはたまげた。それは小学生の頃、セレブなモヤシッ子の家に遊びに行き、おやつにマドレーヌと紅茶が出てきたとき以上の驚きだった、と言えばお分かり頂けるだろう。
…いやいや俺も偉くなったものだと、15個入りをぶら下げて、ちょいといい気分で帰りつく。
フタを開けるその瞬間まで、たこ焼きのパックを開けて驚く自分など、想像もしていなかった。
なんとそこには、ソースの海にたこ焼きが浮いていた。いや、ソースの泥沼にたこ焼きが埋め込まれていた。
お姉ちゃん、サービスしてくれてありがとう。そしてお仕事お疲れ様。
あのさ、何か嫌なことでもあったのかいな。
おじさん、ちょっと切なかったなあ。


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