昨年秋、文楽劇場に一人の
フィンランド人がやって来た話を書いた。
今度は、オランダ人が、やって来た。
彼女の名はUlrike Quade(ウルリケ・クエイド)さん。
なんでも、人形を使った芝居をやっていて、文楽の人形にも興味をもち、ぜひその技法を学びたいのだという。
人形劇の世界の中で、日本の文楽はやはり独特の存在であるらしく、「圧倒的」「究極」という言葉もよく耳にする。
そして、ウルリケさんのような人が本当にやって来てしまうのである。
今回の滞在中は東京と大阪を行き来するとのこと。
アポなし通訳なしで、いきなり楽屋口にやって来た。(こういう、当たってくだけろの「いきなりさ」加減、人ごととは思えない。)
まわりは「おいおい、どうするよ」と混乱状態。
何だかんだでまたまた引っ張りだされたのだが、先方は英語で話し始める。
「いや、だからその、僕は英語は・・・」
ところが、一緒に来ていた男性(この人もオランダ人なのかなあ)がフランス語を話せたのである。
上記の内容をザックリと聞き、人形遣いの方にお願いして、一週間後に、短い時間ではあるが、人形をつかっての解説をしていただけることになった。
「さんきゅーべりーまっち。しーゆー!」
軽やかに去って行った。
そう言えば、次回はあの男性は「来れない」と言っていた。
ということは、来週は、英語か?
・・・あっちゃー!!
頭をかかえつつ、もらった名刺をたよりにネット検索。YouTubeでヒットした映像を見て、たまげた。
人形劇、腹話術、ダンスの要素を織り交ぜた独特の世界。
幻想、皮肉、ユーモア。音楽や美術の使い方も印象的だ。
皮肉(つまりは批判精神)はあっても、(例えば人間の妄想を)決して否定はしない。人間の姿の一つとして、優しく包み込むような描き方である。
そして彼女は、その劇団の座長なのだ。
ええい、英語が何だ!!
俺がやらずに誰がやる!!
一念発起。
我ながら、単純でよろしい。
向こうの時間は限られている。
解説はしてもらえるにしても、それは昼と夜の部の間の休憩時間、15分がいいところではないか。
大阪滞在は3日間。
できるだけ、有効に使って欲しい。
できるだけ、多くの情報と体験を持ち帰って欲しい。
劇場内のあちこちで、色んなスタッフをつかまえて情報収集。
すると、
@ロビーに、英語の解説つきの映像が見られるタッチパネルがあることを知った(知らなかったなあ)。
A彼女は観客として舞台を観に来るのだが、それとは別に、舞台の袖から公演を見せるというアイデアが浮かんだ(意外にもこれは、可能性が、ありそうだ)。
B図書室にもぐり込み、洋書文献の一覧をもらった(とにかく、渡そう)。
Cその中から、人形に関係のありそうなページをいくつかコピーした(読んでおいてもらおう)。
Dせっかくだから自分でもそれを、必死で(分かっても分からなくてもいいのだ!)とにかく通読してみた(なにしろ、今度は英語で、通訳らしきことをやることに、なってしまっているのだ)。
すると、
なんだか、エイカイワが、できそうな気になってきた(ホントかよ?!)。
彼女は、明日、やって来る。
ウルリケさんの映像は
こちら。

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