北星駅(宗谷本線)
智恵文駅から隣の北星駅を目指し、線路沿いの旧道上を折りたたみ自転車で進んでいると、道路脇に、熊が出没しているので気をつけるよう注意を促す看板が立っていた。
まさか、熊と遭遇することはなかろうが、車一台通らない旧道なので、不気味ではある。
さらに進むと、草が生い茂ったあぜ道のような細い道が、旧道から北星駅に向かって伸びていた。草を踏み分けながら、農具小屋のような駅舎に入り、荷物を置いて一息つく。
暫くして、近くの踏切が鳴ったので、駅舎から出てホームに上がると、サロベツと書かれた特急列車が駆け抜けていった。乗客は、一瞬のことなので、誰もここが駅であることに気づいていなかったであろう。
その列車が通り過ぎた後もホームに佇んでいると、ゴソゴソという音が、少し離れた背の高い草の間から聞こえて来た。風が葉をこする音ではなく、もっと重い音である。
先ほど、熊の看板を見たのを思い出し、どきっとする。が、熊にしては、音がやや小さい。子熊の移動する音か、と思う。子熊ならさして恐れる必要はないが、しかし、子熊が単独行動をするはずがなく、その背後には親熊が必ず見張っていることであろう。困ったことになったな、と思う。
そこで、落ち着かぬ気持ちでホームから降りて駅舎の中に入り、窓から外の様子を窺った。すると、3mほど先の草が、ガサゴソと大きな音を立てて左右に分かれたと思うや、そこからキタキツネが顔を覗かせた。
なんだ、狐か、と思う。しかし、間近で見る狐は随分と大きい。尻尾まで入れたら1mは優に超えるであろう。
こちらに来たらやっかいだな、と思っていると、狐は私をちらっと横目で一瞥するや、駅舎の後ろにある畑の茂みの中にスルスルスルと入って行った。
あっという間の出来事であり、ふさふさした尻尾が目の前にちらつくばかりで、彼がどんな表情をしていたのかも思い出せなかった。

(ホーム側から見た北星駅)

(道路側からみた北星駅 左が駅舎 右がトイレ この道の先にホームがある)

(ホームに入ってきた列車 車両の前半分しかホームにかからない)
(2006年7月12日)
名寄750-843@天塩川温泉900・・(自転車)・・925@咲来935-1008@南美深1030・・(自転車)・・1050@美深1106-(特急スーパー宗谷1号)-1131@音威子府1316-1329@豊清水1335-1414@日進1435-1445@智恵文1555・・(自転車)・・1610@北星1653-1715@紋穂内1741-1745@初野1752・・(自転車)・・1755美深14線バス停1758=(名士バス)=1815@恩根内1922-1959名寄