大畑駅(肥薩線)
2両編成の上り列車は、肥薩線のループ線を右へ右へと下って、中途半端な山際で停まった。左の車窓下には、別の線路が光っている。
今度はその線路に並行して列車は後戻りをし、スイッチバックの無人駅、大畑(おこば)に着いた。
古い木造駅舎の横には、石造りの給水塔が立っている。昔、沢の水を引いて、ここから蒸気機関車のタンクに注いでいたのかもしれない。
それと同じ水なのだろうか、ホームの先に据え付けられた重厚な水盆の中に、清い水がこんこんと溢れている。その冷たい水を掬って顔を洗い、一息ついた。
目の前には、駅の奥の方へと延びる錆付いた線路。
列車はやって来た方向にバックして戻って行くので、この線路は使わない。果たして、この線路はどこに通じているのだろうかと不思議に思い、ホームの端からその先の方へ歩いて行ってみることにした。
ゆるやかにカーブした線路の脇を進むにつれ、足元の草丈がしだいに高くなってくる。
木々を渡る野鳥の声を聴きながら、さらに歩いていったら、いきなり車止めが現れ、崖の上に出た。
そこから先を見透かすと、はるかかなたに麓の町並みが、山中に出現した楼閣のように、白くぼんやりと浮かんでいた。

(大畑駅舎)

(大畑駅のホームの水盆)

(錆付いた線路の先の車止め)
(2006年6月1日)
-(特急なは)-736熊本746-750@平成803-805@南熊本813-820熊本828-(特急くまがわ1号)-952人吉1003-(いさぶろう1号)-1106@真幸1159-(しんぺい2号)-1245@大畑1324-(いさぶろう3号)-1354@矢岳1530-(しんぺい4号)-1603@人吉1609-(特急九州横断特急8号)-1630@球泉洞1648-1703@海路1713-1735@一勝地1752-1809@吉尾1830-1834@白石1900-1939八代1946-1950新八代2003-(特急リレーつばめ62号)-2023熊本2031-2042水前寺