金山駅(根室本線・北海道)
北海道の真ん中あたりに位置する根室本線金山駅。その2面2線のホームにはソーラン節が響いていた。
周囲に人の姿は見えないものの、ヤーレン、ソーラン、音だけはずいぶん賑々しい。どこか広場で夏祭りでもやっているのかもしれない。
しかし、なんだか妙だ。音が細くなったり太くなったり、はたまた少し違う場所から聞こえてきたりする。不思議に感じながらも、これだけ自然豊かなところだと、丘や木々に反響して風の具合でそんなことがあるのかもしれないとも思う。
駅舎脇には保線要員が滞在するための2階建ての建物。その手前にはレンガ造りの危険品庫があった。ローカル列車しか通らぬこの駅にしてはずいぶん設備が整っている。が、ここから直線距離で10kmほど離れた石勝線が昭和56年に開業するまでは、この区間が札幌と道東を結ぶメインルートだったので、その名残なのだろう。
この危険品庫、文字通り灯油などの危険物を入れておくためのもので、安全のためか中が見えないようにしてあるものがほとんどなのだが、ここのは珍しく窓がついており、柵の間から中の様子が覗けるようになっていた。

(金山駅危険品庫)
そこで、どんな危険なものが入っているのだろうか、と少しどきどきしながら窓を通して室内に目を凝らしてみる。
中は薄暗く、どうやらガランとしているらしい。最初のうちはよくわからなかったが、目が暗さに慣れてくるにつれ、棚に消火器が1個。ほかには壁に雪かき用のシャベルが2本吊るされているのが目に入った。
ずいぶんすっきりした危険品庫だな、なるほどなるほど、と思いながら振り返る。
すると、いつからそこにいたのか、警官が2人、駅前広場の先の国道の交差点に立っており、こちらをじいっと凝視していた。おそらく、
「あの見慣れぬ奴はさっきから駅前をうろうろしたり、危険品庫の窓にへばりついて中を覗いたり、と実に怪しい奴だ」と思っているに違いない。
これはさすがにマズイ・・・しかし下手に逃げたりしたら、職務質問などでは済まぬもっとやっかいなことになりそうだな、とも思う。
そこで、駅舎を撮影するふりをしながら徐々にその2人にこちらから近づいていき、
「こんにちは、駅を撮影しながら旅行している者ですけど・・・」などと変な挨拶をしながら誤解を解くとともに、世間話をするようにそれとなくソーラン節の音の源について訊いてみた。
すると、金山神社の祭典の関係で流しているのだそうで、今日が本祭。カラオケ大会なども行われるという。そういわれてみれば、国道沿いの家々には祭りのちょうちんがぶら下がっている。しかし、聞こえてくるソーラン節の音が一定でないのは何故か?ということは訊けないでいると、やがて、警官の一人が
「あ、来た来た」といって何かを誘導するそぶりをみせはじめた。
何が来たのだろうか、といぶかりながら脇に退く。
と、駅前の道を2tトラック2台と軽トラ1台が一列に連なってゆっくりゆっくり自転車くらいのスピードで国道に向かってやって来た。
前の方のトラックの荷台には半被を着込んだ老人たち。後ろのトラックには子供たち。みこしなども積んでいる。
この辺は家と家との距離が離れているので、子供たちがみこしを担いだり引っ張ったりして家々をねり歩くというわけにはいかないのだろう。
トラックにはスピーカーがついており、そこからくだんのソーラン節が盛大に流れ出ていた。
(金山駅舎)

(金山駅ホーム 右手に保線の建物と危険品庫)
(2010年7月15日)
旭川928-1041富良野1107-1139@金山1205=(南富良野町営バス)=1219農協事業所バス停・@下金山1241-1354@茂尻1405-1422@上芦別1440・・(徒歩)・・1455上芦小学校バス停1501=(北海道中央バス高速ふらの号)=1517@平岸1547-1659@山部1732-1801@島ノ下1807・・(徒歩)・・1809島ノ下駅前バス停1810=(北海道中央バス高速ふらの号)=1825野花南バス停1826・・(徒歩)・・1830@野花南1837-(快速狩勝)-1859富良野1907-2018旭川