菅尾駅(豊肥本線)
乗ってきた豊肥本線の普通列車が、菅尾駅で交換列車待ち合わせのため10分ほど停車するというので、真新しい無人の駅舎をくぐり、駅前に出てみた。
すると、こういうのを桜吹雪というのだろうか、駅前広場のアスファルトの上を西日に照らされた桜の花びらたちが風にのって裏になり表になりしきりに舞っていた。
広場の片隅には、葉の出始めた桜の古木が数本。
何の気なしにその根元に近寄ってみたら、そばに枯れ池があった。
石造りのなかなか立派な池で、島になぞらえたのか、大きな岩が中に座っている。
水の入った池を維持するのは意外と大変で、泥や落ち葉の除去、魚の管理などのほか、底から水が抜けないよう、ときどき補修をしてやらねばならないといった苦労話を知人から聞いたことがある。駅構内に池が造られている光景をたまに見かけるが、そんな手間を必要とするためなのか、無人駅の池はそのほとんどが枯れ池となっている。
この無人駅菅尾の池には、水の代わりに件の桜の花びらが、上からはらはらと落ちていた。風が吹くたび、固まりになって花びらが降ってくる。
もしもこの池に水が溜まっていたとしたら、さしずめ水ににじんだ花びらたちが浮き草のように水面に散らかって、池全体の趣を台無しにしてしまうのだろう。
が、枯れ池の底にうっすらと花びらが敷かれた今の情景は、砂利を水に見立てた京の禅寺などの枯山水に通じるものがあるな、などととりとめのないことを池の中で考えた。

(菅尾駅ホーム)

(菅尾駅舎)
(2009年4月7日)
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