五能線全駅特集第22回
追良瀬駅(五能線)
隣の驫木駅から折りたたみ自転車で国道を南下し、小高い海岸段丘を駆け下りて、追良瀬の集落に入った。
白神岳から流れてきた追良瀬川にかかる橋のたもとで国道と別れ、ひっそりとした集落の中を進む。と、家並が途切れた集落の外れに無人の追良瀬駅があった。
ホームに出てみたら、海辺からやって来た線路がUの字に大きくカーブして、また海辺へと戻っている。その線路は、私が今しがた越えてきた海岸段丘に穿かれたトンネルへとそのまま突っ込んでいた。
トンネルの左手には、日本海にそそり立つ海食崖。その崖下には、防空壕のような穴がこちらに向かって口を開けていた。どうやら波蝕作用でできた洞窟らしい。
その穴の方をしばらく眺めていると、ふと、そばに行って穴の中がどのようになっているのか確かめてみたいという欲求にかられた。
が、次に乗る下り列車の時間がせまっていた。今度の列車は、17時19分発であるが、1本前の列車は、朝の9時台発と、この駅に停まる列車は本数が極端に少ない。
どうしようか、と迷っていたら、いきなり静謐を破るように、追良瀬川にかかる鉄橋が、じゃざゃん、じゃざゃん、と地響きのように鳴り出すや、その上を渡り終えた2両の気動車が、ホームに駆け込んで来た。
その有無をいわさぬような勢いに促され、列車に乗り込んだ。
トンネルの闇に包まれた車窓を眺めながら、ぼんやり考える。穴の中を覗いたとして、飛び出してきたコウモリなぞに突っつかれても物騒だし、ひょっとしたら、肉食の海獣でも棲んでいるかもしれない。知らぬが仏ということもある。
しかし、覗いてみたかったな、と思った。

(追良瀬駅舎)

(1面1線のホームの反対側には枕木が積まれている)

(トンネルの横にそびえる追良瀬の海食崖 海の近くに洞窟らしきものが見えた)

(追良瀬駅ホーム)
(2006年6月24日)
-1515@驫木1610・・(自転車)・・1635@追良瀬1719-1728@風合瀬1750・・(自転車)・・