日光駅(日光線)
日光線の終点、日光駅に降りると、なんとも古めかしい駅事務室が、線路に沿って横に伸びていた。
が、その前を通って駅舎の中に入ったら、その内部はむやみにガラーンとしており、雨のうち降る寂しげな駅前の景色が、改札口から見通せた。
駅の大きさのわりに、発着する列車が短距離の普通電車ばかりになってしまったので、建物を持て余しているような感がある。
今や、新宿駅を発車したJRの特急列車も、この駅には着かずに、少し離れた東武日光駅の方に行ってしまうので、この駅舎もなんだか物足りないことになったなあと思っていることであろう。
壁際にぽつんと立っている看板によれば、今日は、この駅舎の2階で、日光の四季を撮影した写真展が開催されているらしい。他にすることもないので、時間つぶしのつもりで階段を昇ってみた。
すると、どうであろう、2階には、絢爛豪華なシャンデリアが天井から吊るされていた。洋風の窓にかかっている厚手のカーテンは、外の雨の景色が室内に入ってくるのを遮っている。
まるで、この空間だけ戦前から時間の流れが止まったままのようであった。どうも、ここは1等客用の特別待合室であったらしい。
歩くたびギシギシ音がするフローリングの床の上を静かに1巡した後、満足して2階から降りた。そして、改札をくぐり、再び列車に乗り込んだ所で、はっとした。
私は駅の2階を見学できたことに満足してしまって、そこに展示されている写真展の作品を見るのをすっかり忘れていたのであった。

(日光駅事務室とホーム)

(日光駅舎)

(日光駅2階のシャンデリア)
(2006年8月28日)
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