彦山駅(日田彦山線)
彦山駅は、大分県と福岡県との県境にそびえる標高1200mの修験道の霊地、英彦山の登山口に佇んでいる。
名所案内板によると、この英彦山の中腹には、重要文化財に指定された社殿や鳥居を擁す英彦山神宮があり、そのためか、ホーム上に朱塗りの灯篭が立っていた。
山や神宮、駅の名も同じ「ひこさん」という呼び名であるが、面倒だったのか、駅名は、「英」の文字を省略して「彦山」と表記している。
駅舎は、銅色屋根の立派な木造建築であった。が、中に駅員はおらず、がらんとした駅舎の壁には、古びた蜘蛛の巣があちらこちらにぶら下がっていた。
辺りの杉林からは、ツクツクボウシの盛大な鳴き声に混じって、ヒグラシの涼しげな声が響いてくる。
その蝉しぐれに後押しされながら、駅から伸びる一本道をだらだらと下っていくと、川べりに出た。英彦山とその周囲の山なみに端を発した澄んだ水が、勢いよく流れている。
水際に下り、丸みを帯びた岩が散らばる瀬の流れをしばし眺めた後、何気なく川上の方に目をやったら、山裾にアーチを連ねた日田彦山線の鉄橋が架かっていた。
列車に乗っているだけでは、渡っている橋の様子はよくわからないが、こうして列車から降りて見ると、珍しい形をした鉄橋もあるのだな、と感じ入る。
惹きつけられるように、そのアーチ橋のそばに歩み寄ってみる。
すると、何やら橋全体が騒々しい。頭の上の方からも、さらさらと水が流れる音がする。水道橋でもないのに変だな、と不思議に思う。
鉄橋のアーチの真下に入って、ようやくその理由がわかった。
すぐそばを流れる川の水音が、鉄橋の丸いアーチの橋脚に反響して、橋全体が上下左右から清らかな音を発しているのであった。

(彦山駅ホーム)

(彦山駅舎)

(川から眺めたアーチの鉄橋)

(鉄橋の上下左右から水音が響いてきた)
(2007年8月28日)
-(特急ゆふ2号)-923@豊後中村944-1051@筑後大石1059-1111@光岡1156-1202@夜明1219-1314@田川後藤寺1329-1342@香春1355-1358@一本松1420-1435@呼野1445-1452@採銅所1508-1519@石原町1525-1529@志井1544-1705@大行司1720・・・1750@宝珠山1757-1816@彦山1919-1948夜明2008-2018日田2043-