【真珠腫とは??】
真珠腫には先天性のものと後天性のものがある。
胎生期に、耳の中に上皮細胞が迷い込んで増殖するものを先天性真珠腫と呼ぶ。手術の時に見える真珠腫が白色の丸い塊で、あたかもきれいな真珠のように見えることからこの病名がついた。頭部のさまざまな部位に発生するが、ほとんどは耳の骨の近くに発生する。真珠腫性中耳炎全体のうち、先天性の占める割合は5%くらいといわれている。
中耳の炎症が長引くと、乳突洞(中耳の奥にあるハチの巣状の骨)や上鼓室へ炎症が及ぶ。さらに中耳の換気状態が悪くなると、鼓膜の一部が奥に入り込んでいき真珠腫性中耳炎が発症する。滲出性中耳炎や癒着性中耳炎に続いて起こることもある。鼻すすり癖がある人に発症しやすいともいわれている。
【症状】
奥に入り込んだ鼓膜が、さらに深部へ進むとさまざまな症状が現れる。強い炎症や骨破壊を生じて、耳漏、難聴、めまい、耳鳴り、顔面神経麻痺などを合併する。そのまま放置すると髄膜炎や脳膿瘍を起こし、生命に関わる場合もある。真珠腫性中耳炎は、耳漏、炎症を繰り返していること、後天的な病気であることが先天性真珠腫との大きな違いである。
【診断】
手術用顕微鏡や拡大耳鏡を用いて慎重に観察し、真珠腫の侵入部位、鼓膜の癒着、耳小骨の状態を調べる。同時に局所治療により炎症を抑える。
純音聴力検査で難聴の程度を測り、伝音難聴なのか混合難聴なのか診断する。穿孔を和紙などでふさいで聴力が改善するかどうかを調べると、耳小骨の音を伝える機能が正常かどうかわかる(中耳機能検査)。
この病気では、側頭骨ターゲットCTが必須の検査です。CTにより真珠腫の進展範囲、骨破壊(内耳瘻孔や硬膜露出の有無)、耳小骨の破壊の有無を診断する。
【外科的治療】
通常、手術を行う前には側頭骨ターゲットCTを行う。病変がどこにあるか、耳小骨の変形の有無を知ることができ、手術の必要性、手術方法が判断できる。
手術には、大きく分けて2つの方法がある。中耳機能検査の結果が良好であれば鼓膜形成術を行います。これは近年普及してきた手術法で局所麻酔、短期入院で手術ができる。耳介の後ろの皮膚から組織を採取し、生体糊(ヒト血液製剤)で穿孔を塞ぐ。
中耳機能検査で難聴が改善しない場合、鼓膜穿孔が大きい場合、炎症が高度の場合には
鼓室形成術を行う。全身麻酔下で耳介の後ろの目立たない部分を切開し、手術用顕微鏡下に丁寧に真珠腫を摘出する。難聴がある場合は、耳小骨の連鎖を治し聴力の改善を図る。場合により真珠腫の再発予防のため半年〜1年後に再度手術を行う。
【術後】
疼痛・出血の可能性がある。
感染予防のため、抗生物質を投与する。
1週間ほど、外耳道内にガーゼを留置する。
耳小骨再建がおこなわれた場合は、しばらくベッド上安静が必要となる。
術後1週間目に耳後部の抜糸を行う。
外耳道内のガーゼを抜いたあと、鼓膜や中耳の状態が安定すれば退院となる。
約2〜3週間の入院となる。
【合併症】
内耳の障害:めまい、著明な聴力低下。
顔面神経の障害:顔面の麻痺。
味覚神経の障害:味覚の低下消失
脳の障害:髄液漏、髄膜炎、脳炎。
麻酔の影響による合併症
多量の出血によるショック

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