「郵便ポスト」
今いくつくらい仕事が動いているの?と知人に聞かれて答えに困った.実際,今いろいろなことをやっている.これからやろうとしていることもある.ただそのうち,いくつの仕事がいわゆる特定のクライアントがいて報酬が約束されている仕事かと問われると,少々歯切れが悪くなる.
僕は依頼してくださったクライアントの仕事に対しては,全力投球でクライアントのために奉仕する.しかしそれ以外の仕事については,良く言えば先行投資,悪く言えば単なる博打か道楽のようなものだと言われても反論はできない.いつかそれらが何らかの形で開花して,人の目に触れるようなものになるかもしれないし,単に徒労で終わってしまうかもしれない.
ただ後者のリスクだけを考えて一歩も踏み出さなかったとしたら...
独立までして好きな仕事で生きていく意味はないと思う.
以前,デザインの世界では著名なある先生とお酒を飲む機会があったとき,席上で先生がおっしゃられていた言葉が印象的で,それを今でも時々思い出す.
「日本のデザイナーは郵便ポストのようなものだ.仕事の依頼をそこにじっと立って待っている」
そこに口をぽっかり開けて立っていたって,自分のやりたい仕事なんて来るわけない.連戦連敗.でもたまには良いこともある.大切なのは自分から社会に対して行動を起こすことだ.