2015/7/2

ミャンマー女ひとり旅その4〜ふたたびヤンゴンへ〜  ミャンマーぶらり

(四日目〜)

さて。本日はバガン最終日。ホテルのチェックアウトを終え、ニャンウーをブラブラする私。

(バガン出発まで半日以上時間があるからなぁ〜)

行きに関しては非常に有効な使い方のできるJJエクスプレスのバスですが、帰りのバガン発はというと、朝方発であったり、昼間発。これに乗ってしまうと、ヤンゴンへ到着するのは夕方か、昼間発の場合は夜の23時頃となってしまい、一日移動で潰れてしまうことになります。私の場合、今回の旅行は一週間という短いスケジュールであったので、心を鬼にし、お金で時間を買うことにしました。

(飛行機は夕方だしな〜。ダマヤンヂー寺院だけでも行きたいよなぁ〜)

(でも、他の遺跡も改めて見てみたいかも…)

昨日は疲れからロクに遺跡を楽しめなかったけれど、一晩眠ったら体力もずいぶん回復したしなぁ。

ま、とりあえずビールでも飲んでそのあと考えるか〜と、生ビール600チャットと書かれたレストランにフラフラ向かおうとすると、

「おーい、お嬢ちゃんよ。タクシー使わねぇ?」

陽気な兄貴に声をかけられました。

「タクシーは必要ないなぁ。馬車ならまた乗りたいけどサ」

「馬車?バカいえよ。あんなもん熱いだけだぜ。タクシーなら冷房もきいてらぁ」

ふーむ。確かにユキちゃんをはじめとするお馬はかわいいが、この熱さでは昨日と同じ目に遭ってしまいそうだ。

「ダマヤンヂー寺院連れてってくれる?」

「ダマヤンヂーどころか、時間まで好きなとこ連れてったらぁ」

「そのあと空港も連れてってくれる?」

「もち」

うーむ。タクシーを半日チャーターしてみるか。

「15$でどうよ」

「うーん」

「うし、じゃ大サービス。10$じゃ!」

(マ、マジで!?これは安いぞ!)

「よーし、10$ね!早速頼むわ!」

きゃ〜タクシーなら確かに熱くないしラクだぞ〜、おまけに安い〜とスキップしながら乗り込むと

「やっぱ15$でいい?」

はああああああああ?

「うそつき!10$っていったでしょ!今直ぐおろして!」

「うっそー、10$でいいよーだ、ばーか」

えー、ちなみにこのやりとりが最後の空港まで永遠に続くことになるんですが。。。

兄貴の名前はタンタン。最初はあまりの陽気さに警戒していたのですが、タンタンは昨日のおっさんブラザーとは違い、写真をとってくれたり、一緒に途方もない段数の階段をあがってガイドをしてくれたり…。バラをむしってくれて(いいのか?)やるよといってくれたり…。

更に私の大好きなダマヤンヂー寺院にふたたび訪れた際も、私の目の色が変わるのを察してくれてか、適度に放っておいてくれたりして(その間、観光客をナンパしていたのを知っている)

(うーむ。謎な兄貴だが、本当は親切な人なのかもしれない…)

などと感じ、だんだんやりとりが楽しくなってきました。

さて。バガンは「漆塗り」で有名な場所でもあります。寺院の土産物屋を冷やかしながら歩いていたら、

「オ姉サン、カワイイ!ウルシ、安イ!」

その言葉に思わず足を止める私。

う、漆が安いだと?

「オ姉サン、ウルシ知ッテルカ?」

このガキャー!私はまがりなりにも大学では漆塗りを専攻していたのだぞ!(そのクセお前は今何をやっているんだ)。

「安いという商品を見せてみやがれぇ!」

ウルシのウの字も忘れた女ですが、漆塗りのとてつもなく長い工程を学び、そして実践していた過去があるだけに、「ウルシ、安イ!」の言葉にメラメラと炎があがる私。目の前にあった小物入れをむんずと掴み、

「これ、いくらなの?」

「1$」

ブーッ!

う、嘘だろ…。

漆塗りがこんなに安いわけがない、いや、あの気も遠くなるような作業工程の漆塗りが…こんな値段であっていいハズがない!!


が、少女の口から出る値段はどれも衝撃すぎる値段であり…。

「ああ〜そんなぁ。漆塗りがこんなに安いなんて」

「ココハ安イヨー!」

可憐な色漆のついたお盆と小物入れを(それもおまけつきで10$)購入してしまったのでした…。

(ああ〜なんだかショックだよ…)

さて。ここバガンはミャンマー最大の観光地。中でも観光客の集う人気の寺院にはさまざまな物売りが集まっており、日本人は熱烈な歓迎を受ける訳ですが…。ここでふと気がついたことが…。

(確かに物を売ろうとしてはくるんだが、あっさりしているんだよなぁ〜)

それは、他東南アジアでは考えられない光景でもありました。

例えば、ポストカード売りの少年少女の場合。私を見た途端に一目散にやってくるのではありますが…。

「いらない」

というと

「わかったよ」

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皆とても素直なのであります。(子供の場合は遊びに変わる場合も)

「私なんかよりさぁ、ホラ、あの人たちに売ってこれば?」

さりげなくアメリカ人カップルを指差すと

「やだね」

「あいつらはゼッタイ買わねーもん」

などと、毒のあるセリフを吐く少女もいたりして、これには思わず笑ってしまいました。

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(この子猫。名前を聞いたら「プッシーキャット(子猫ちゃん)」。そのまんまやんけ!)

商売目的であることは明らかなのだが、他国に比べしつこさがない。これはバガンだけではなく、ヤンゴンでも同じ、他の東南アジアでは一切感じられなかったミャンマーでの印象でした。

タンタンにおすすめだというレストランに連れてってもらい、ビールをしこたま飲み、いい感じに浮かれていたら

「おい、空港には行かなくていいのかよ」

「は!そうだった、そろそろ行かねば!」

タンタンにツッコミされて、ようやく空港へ。空港までの間は、更に「10$」「15$」のやりとりが激しさを増すのですが…。

「どうもありがとう。はい、約束の10$」

「えーっ!マジかよ」

…わかったよ。なんだかんだで楽しかったもんな。

「5$札ないから1$でいいかね!?」

「ヒャッハー!ぜんぜんいいよ〜」

1$札を渡すと、タンタンは上機嫌で去っていきました。

ああ、日本円が両替できたならなぁ(涙)

さて。雨期は特にひっちゃかめっちゃかなスケジュールと言われ(直前の欠航や変更がしょっちゅうらしい)、評判の宜しくないミャンマーの飛行機事情。早めにやってきはいいものの…。

出発2時間前。にも関わらず、空港は閑散としており、店らしき売店に人影もありません。

「クーラーもついてねぇぞ…」

(いや、しかしインドよりマシやで…あのムガルサライ駅で過ごした18時間よりは…←インド旅行記参照)

と、気持ちを奮い立たせ、しばらく仕事のメールチェックしたり(この空港もWi-Fiがよく繋がった)小説を読んだりしておりましたが、それもだんだん飽き、天井を見ながら考え事をしていると。

「もしかして日本の方ですか?」

突然優雅なマダムに声をかけられました。

「1人でいらっしゃるし身軽だから、分からなかったんだけど…。地球の歩き方が見えたから」

マダムは沖縄出身とのことだが、もう20数年以上米国に住んでいるのだそう。横にいる優しそうな白人のオジさんは旦那さんで、夫婦でミャンマーへ旅行に来たそうな。

「じゃあもう日本よりアメリカの方が長いんですね」

と私が言うと、

「でもね…やっぱり生まれ故郷は特別なものよ」

「…」

マダムとの会話はものの5分ほどであったし、名前すら聞けずじまいだったのですが(この後直ぐにチェックインが始まった)。

やりとりの中にふと感じたものがありました。

(日本語が恋しくなることもあるんだろうか)

米国に日本以上に住んでいても、「どっこいしょ」とか「あらよっと」だとか、ふとした瞬間に発してしまう日本語なんてものもあるのかもしれないな…。

故郷は特別といったマダムの顔と、短い間交わした日本語のやりとりが、あとあと心に残る印象的な出会いになったのでした。

さて、悪名高き(?)ミャンマーの飛行機も無事バガンを飛び立ち、これまたきっかり時間通りにヤンゴン空港へと到着。行きと同じくタクシーに8000チャットで交渉し、これまた行きとまったく同じコースで、あのアッガユースホテルへと向かいます。(だって一番安いんだもん!涙)

ホテルに到着したのは20時過ぎ。

「ああ、バガンにもうちょっと居ればよかったよ…」

湿ったシーツの上に腰掛けながらため息をつく私。

(だいぶこのあたりも慣れてきたし、ビールを求めがてら散策してみるかなぁ〜)

と、ホテルを出て町をうろつくことに。

が。

レインコートを羽織りながら目の前の道路を横断しようとした瞬間…。

「!!!!!」

車が突進してくるではないか。

(あ、これは間違いなく死ぬな、私、ひかれるわ)

そう悟った瞬間、

そのまま車は横を通り過ぎ、何事もないように走り去っていきました…。

あまりのことに恐怖でその場に尻餅をついたまま、震えるわし。足腰がヘナヘナになってしまい、立ち上がれません。

これはマズイ…。

横断歩道の概念も無い場所を女ひとり、それも雨の中レインコートをきてふらふらしてるなんて!!そりゃ車に引かれても、そして襲われたところで文句は言えまい。

以後当たり前のことですが、夕方以降はホテルの近くでも極力出歩かない様に気をつけました…。

というワケで、この日は近くのスーパーマーケットでビールとお菓子をしこたま買い込んで、逃げる様にホテルへ戻ったのでありました。

ああ…ホテルで飲む酒は一番安全だからねぇ(涙)

つづく…

〜ポレポレの旅がコミックエッセイになりました★〜
「ドタバタ女ひとり旅〜世界の端から恥まで〜」


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