人に暴力を振るうな、痛みを知れ。と昔、先生が言っていた。
痛みを知っていれば、暴力は行使しないだろうって事なんだと思う。
ねえ、先生、暴力を振るいすぎると痛みを忘れちゃうんだよ。だから、きっとその逆も真なんだよ、先生の言った事、今になって身に染みるよ。
と、先生に言ったら、先生は泣いてんだか笑ってんだか分からない表情を浮かべ、歯をカチカチと鳴らした。
先生だけじゃない、パパもママも、繭子もサキゴンもみんな、私を見て、カチカチと歯を鳴らしている。
きっと、私のぱっくり開いたほっぺの傷のせいだ。
私は先生を持ち上げ、自分の顔に近付けてみる。
先生の舌がヒルみたいにうねる。
舌が激しく動けば動くほど、端正な顔立ちが崩れ落ちる。
『先生、ごめんね!』
私は、先生をぽいと投げた。
私の手から離れた直後に、先生は輪切りになってしまった。
既に彼の糸は私を包囲している。
この世界で彼が羽織る白は鮮やかすぎた。彼は、私に言った。
『異物は排除しなきゃいけない・・・』
そして、見えない糸で私を攻撃した。
私は、警官さんから拝借した拳銃を握り締めた。
『大丈夫だよ、みんなのことは私が守ってあげるからね』
みんな、冷蔵庫の中で歯を鳴らしている。
S-w-XXXX
『肉』

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