「11eyes CrossOver」、コンプリート。"罪と罰と贖いの少女"編をコンプリートしたあと、"虚ろなる鏡界"編も全キャラのエンディングに到達しました。プレイ時間は47時間ちょい。既読部分はほとんどスキップ、未読部分は台詞をほぼ全て再生。上手くやればもうちょっとプレイ時間を短縮できると思いますが、未読部分をスキップせず、音声を全て再生した場合は、40時間を切るのは難しそう。
バッドエンドの選択肢は即死ばかりなのでわかりやすいし、各ヒロインルートへの分岐も素直。
以下、ネタバレを含むので「続きを読む」から。
なお、平行して携帯機でやってた「Φなる・あぷろーち2 -1st priority- ポータブル」は、とりあえず全攻略対象ヒロインのグッドエンドを見たところ。美咲桜以外のヒロインについてはバッドエンドやノーマルエンドもいくつか見ていますが、エンディングの達成率は58%。予想していたよりボリュームあるかも。
まず、システム面について。「CHAOS; HEAD NOAH」よりもかなり使いやすく、レスポンスも速くなっています。強いて言えば、シーンスキップが欲しかった。通常のテキストスキップが高速なのが救いですが、共通ルートがかなり長いもので…。セーブ関連については問題なし。スロット数が足りなくなることは無かったし、自動的にクイックセーブ・ロードしてくれるのもうれしい。前述のように即死バッドエンドが多いため、自動クイックセーブが無かったらいちいち選択肢でセーブしなきゃならず、煩雑になってしまうところでした。
全体的には優秀なシステムなのかな、と思いますが…一部、バグあり。画面全体が白っぽくなる演出の後、元に戻らなくなったり。特に酷いのがクロスビジョン関係。タイトルからSene Recollection経由でクロスビジョンを見た時には問題ありません。が、プレイ中のメニュー画面からクロスビジョンを開いたときに、クロスビジョンのオープン・クローズ、既読・未読の管理が出来ていません。
プレイ中のクロスビジョンとSene Recollectionからのクロスビジョンが同期しないのは仕様でしょう。それは納得できる。Sene Recollectionはこれまでに読んだ全てのクロスビジョンを管理しているのに対し、プレイ中のメニューから開くクロスビジョンはそのプレイにおいて読んだクロスビジョンのみを管理している。
クロスビジョンを開き、未読のクロスビジョンを視聴する。それからいったんクロスビジョンとメニューを閉じ、もう一度クロスビジョンを開くと、先ほど読んだはずのクロスビジョンが未読になっている。さらに、一度オープンにして、読み終わったはずのクロスビジョンがクローズになっていたりすることもある。プレイ中に、一度読んだものが読んでいないとして扱われるわけで、こちらはおそらくバグ。
グラフィックについては、"罪と罰と贖いの少女"編は問題なし。"虚ろなる鏡界"編は…"罪と罰と贖いの少女"編とテイストの統一が取れていないのがかなり気になる。とりあえず、修を除く新ヒロイン達はみんな目が大きすぎないか、と。立ち絵、イベントCGについても、わざとやっているのかもしれませんが、ゆがんだ描写が多い。
音楽はかなり良かった。11eyes独特の雰囲気作りに貢献している。クオリティも高い。ただ、OP/EDに関しては、"虚ろなる鏡界"編も含めて、印象が薄い。
音声については、特に問題なし。リーゼロッテがちょい芝居がかっている…言い換えれば棒くさい感じがしましたが、これはこれで、無垢な少女の声に大人の…魔女の感情を上手く載せていて、良かったのではないかと思います。
各ヒロインについて。
"罪と罰と贖いの少女"編で一番気に入ったのは、やっぱり菊里ですね。正直、パラレルワールドの住人だから実の姉弟じゃないってのは強引すぎる気がしますが、コロンブス的転回…というか、その考え方は少し面白かった。
続いて、雪子。テンプレート通りとはいえ、彼女の背負ったものの大きさは、十分に描写されていたと思います。賢久とのエピソードも秀逸。"仲間"であり、ルートによっては恋愛の対象であった彼を、殺さなければならなかった悲劇。だからこそ、エピローグで全員が生き返り、あの入魂のシナリオが無に帰された時に、"えー?"って思わざるを得なかったのです。いや、グダグダ悩めとは言わないけれど、最後あっさりしすぎじゃないですか?賢久にしたって、彼は一線を超えてしまった。あっけらかんと流していいものじゃないような。
美鈴も良かった。操との最終決戦シーンは圧巻。その後の栞・菊里 vs. 虹のゲオルギウス編, 駆 vs. リーゼロッテ戦が微妙だったのもあり、強く印象に残っています。実力では完全に自分を上回っており、正面突破では勝てる見込みがほとんどない敵に対して、気力と根性と獲物に知略を上乗せして、完全勝利を果たした。あのシーンを見ている時の高揚は凄まじかった。
あんまりいい印象が残っていないのが、ゆか。だって足引っ張ってるだけじゃん…。
"虚ろなる鏡界"編では…強いて言えば、黒芝 かなえか。ミステリアスな少女であり、ラスボス。ただ…彼女のルート専用のイベントは休日の会話のみだったので、ボリューム的に不満あり。
"罪と罰と贖いの少女"編も"虚ろなる鏡界"編も、そのほとんどが共通ルート。各ヒロインルートでの固有イベントは、"罪と罰と贖いの少女"編だったらエピローグのみ(雪子ルートでしか見られないクロスビジョンもあり)。"虚ろなる鏡界"は、黒芝 かなえを除いて、休日デートとエピローグのみ。
"罪と罰と贖いの少女"編の感想は、以前雪子ルートについて書いたとおり。終盤の美鈴 vs. 操の最終決戦(本編ではなくクロスビジョン)までは圧倒されていたけれども、それ以降は陳腐。竜頭蛇尾というか、序盤に敵の強さ、主人公自身の弱さを強調しすぎちゃった上、主人公が強くなったということをプレーヤに実感させる前に最終決戦に臨んでしまい、さらにラスボスたるリーゼロッテが800年生きてきたにしては"青い"ので、最終的に"拍子抜け"。主人公や栞が強いから勝てたんだ、という方向に持って行こうとしているのはテキストを読んでいれば分かりますけれども、彼・彼女の強さを実感させるような描写をしていない。
最終菊里ルートに関しては、まあオチの付け方としてはいいのかな、と。恥ずかしながら、彼女が駆の姉・皐月菊里にそっくりである、という伏線を完璧にロストしていたので、菊里が自分を"皐月菊里"としたときはちょいと意表を突かれました。
Xbox 360版の追加要素である"虚ろなる鏡界"。当初は、PC版のヒロイン4人に対して攻略可能な新キャラが3人、攻略可能になったキャラが2人という情報から、かなり思い切った追加要素だな、と思いましたが…。結局は"オマケ"レベルのものでした。総プレイ時間が、"罪と罰と贖いの少女"編で40時間近くになっているのに対し、"虚ろなる鏡界"は7時間程度。選択肢も、攻略対象ヒロインを決定する5拓のものが1回しかなく、"攻略"といえるものではありません。読み物に近い。
ドッペルゲンガーと聞いて、当初は"パラレルワールドがらみかな?"と思っていましたが、全く関係なく。それどころか、"罪と罰と贖いの少女"編とは、ほとんどリンクしません。ラスボス同士に大戦中までは関係があったこと、"栞"という共通のキャラクターがキーパーソンの1人であること、くらいでしょうか。
はっきり言って、赤い夜以降の美鈴が修や澪、それからドッペルゲンガーの存在に気づかなかったのは不自然。結界外部での魔術行使や戦闘をやってるのに。美鈴が修や澪、栞に気づいていれば、赤い夜に関連していると考えてコンタクトを計ろうとするのでは。
せっかくあれだけのタレントが同じ時期に同じ学校に集っているのだから、互いの物語をもっとクロスさせた方が良かったのでは、と思います。"CrossOver"という名前が泣いている。全然クロスオーバーしていない。
"現代魔術"という考え方はリーズナブルだと思いました。科学は最も成功した魔術である、という観点からは、科学の外部にある他の魔術に、現在の科学技術を取り入れないのは不自然。特に情報処理に関する部分は、コンピュータ等で代用できるものもかなりあるはず。また、魔術にこだわらず、利用できるものは全て目的(戦闘を含む)のために取り入れようとする駆たちの行動原理は、真理を追究する者として理にかなっていると思います。
が、ボリューム不足で描写が甘い。緻密な設定の元に発展させたら面白い世界観になると思うので、オマケシナリオで使ってしまったのはもったいない。
総評としては。
どっかで見たような世界観、どっかで見たような設定、どっかで見たようなシナリオのオンパレード。もちろん大局的な展開自体はオリジナルですが、いろんなものから影響を受けていて、そのことごとくが影響を与えた側、オリジナルを超えていない。合格点は十分にクリアしているけれども、飛び抜けて"凄い!"というところはない。
プレイ中は結構楽しめたので、まあ100点満点で70点くらいか。

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