平成22年5月2日,黄金週間で富山に帰省しましたので,池波エッセイにも度々登場する池波先生ゆかりの地「井波町」(現・南砺市)に出来た「池波正太郎ふれあい館」に行って参りました。
南砺市は富山県の南西端に位置する市でして,その中でも井波は庄川に沿った古い町並みが残る,とても落ち着いた小さな町でございます。特に瑞泉寺門前の通りには井波が誇る欄間彫刻のお店などが並んでおりまして,実に風情豊かな景観になっています。瑞泉寺自体も,古くは北陸地域の浄土真宗信仰の中心として栄えておりまして,山門にはびっちりと彫刻が施され,これがまた実に見事なのでございます。
決して便利なところではないのですが,世界遺産・白川郷にいらっしゃるついでにでも訪れてみては如何かな,と思います。
さて,問題の「池波正太郎ふれあい館」ですが,その瑞泉寺門前通りの中ほどにある「
まちの駅・よいとこ井波」という施設に設けられております。
その「よいとこ井波」は門前通りを散策していると,すぐに見つけられました。で,お土産物なんかを売っているスペースを抜けまして,左手に美味しそうなお食事処なんかもあったりしまして,その先を抜けた施設の一番奥に,そうですね〜大きめの「蔵」くらいの規模といいましょうか,小ぎれいな「池波正太郎ふれあい館」がひっそりと建っておりました。
「ふれあい館」の中は写真でご紹介出来ないのですが,とても小さな建物ながら,展示スペースは2フロアに分かれていまして,なかなか期待が出来ます。まずは自動ドアの先で靴を脱いでスリッパに履き替え。1階には池波先生ゆかりの品としまして,帽子や着物,煙管や灰皿等が飾られております。また「鬼平犯科帳」の「春の淡雪」自筆原稿1枚目も展示。あまり書き直した箇所もなく,最初から「いい感じ」に書かれた模様です(笑)
銀座日記等のエッセイにも書かれているように,池波先生は何度も井波を訪れておりますが,1階にはそうした折の写真パネル等も展示されておりました。ジャケット姿でけんだまをしている写真とか,ちょと面白い。
2階にあがりますと,書簡や色紙などの展示がメインになります。こちらも各種エッセイにも登場している,池波先生と交誼のあった方々との書簡,年賀状,色紙といったものが展示されていて,先生のお人柄を垣間見ることが出来ます。あたしも同じ富山出身の人間として,池波先生が富山県と色々な形で交流されていた歴史を見るようで,なかなか面白い展示でありました。
特に色紙は実に面白かったですね。先生の絵には定評がありますが,墨だけで描かれた猫や歌舞伎の牛など,趣のある色紙が色々展示されていたのが良かったと思います。
全体としましては,池波先生と地元・井波との交流に関わる内容に偏りがちだとは思いますが(施設のコンセプトを考えると当然・笑)それでも池波ファンとしましては,滅多に見られない書簡や直筆原稿等も展示されていますので,なかなか面白い施設だと思います。残念ながらそのときはあたしたち夫婦以外には誰も見学者がいなかったのですが「わざわざこれを見るために遠くから来るべき」とまでは言う自信がないものの(笑)何かの折に富山までいらっしゃる機会があれば寄ってみても損はなかろうと思います。ちなみに入場は無料ですのでご安心を。
ちょうどお昼すぎだったので,よいとこ井波の敷地内にある小さなカウンターだけのお店で「おろし蕎麦」を食べました。打ちたての十割蕎麦は味もコシもしっかりしていて,やや薄めのツユにちょうどいい塩梅に入った大根おろしの辛味がマッチしていて,これが実に旨かったでございます。ちょうど我々が注文したので品切れ,ご主人があわてて新しいお蕎麦を打ち始めておりましたっけ。見た目より量も多くて,これで500円は「安すぎ!」です。いいお天気と美味しいお蕎麦って,本当に幸せな気分になりますですね。
というわけで,頭もお腹も満足の「よいとこ井波」お近くにいらした際には,是非。

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