平成18年の10月9日(祝)でございます。
お江戸に単身赴任しつつも,なかなかお役目が落ち着かず正規の見廻りが再開できない与力ではございますが,ふと「時間と集合場所だけ決めて,あとは何も決めない無計画見廻り」をやってみようか・・・と思いつきまして(実際には「どうせお休みなので,誰か一緒に遊んでくれないかな」ということだったのですが・汗)急遽一週間前に告示させて頂いた非公式見廻り。
どなたもご一緒頂けなかったらどうしよう・・・と思っていたのに,ふたを開けてみれば13名もの方がご一緒下さると・・・本当に嬉しくて嬉しくて・・・思いもかけずに「ちゃんとした見廻り」っぽいノリでのスタートとなりました。
というわけで10月9日・・・季節外れに最高気温は27度,とにかくキレイに晴れ上がった秋晴れの下,午後1時にJR巣鴨駅前を出発したわけでございます。
やはり巣鴨といえば,まずココを目指さねばなりますまい・・・というわけで,地蔵通り商店街の入口手前,真性寺に向かいます。こちらには江戸六地蔵の一つがありまして,これがまた実に大きくて立派なお地蔵様なわけですが,残念ながら「巣鴨でお地蔵様といえば,とげぬき地蔵」ということになりましょうか,こちらの本家江戸六地蔵,人出はさほどでもなくちょっと寂しそう。
でもっていよいよ本格的な巣鴨ゾーン,地蔵通り商店街を板橋方面へ。さすが「おばあちゃんの原宿」と言うだけありまして,まずお店のラインナップも売られている商品も独特・・・。おばあちゃんマーケティングするなら,まずココでしょうね。
「巣鴨のお地蔵様,本来は真性寺・・・」と書きつつも,やはり巣鴨に来たからには一応立ち寄らないと・・・「とげぬき地蔵」の高岩寺でございます。境内を入ると「洗い観音」さまに並ぶ長蛇の列。うぅむ,さすが・・・。これで並んじゃいますと収拾がつかなくなりそうですので,ご希望の方は後日個人でお越し頂くということでご容赦を。
さて,巣鴨といえば「とげぬき地蔵」ともうひとつ「塩大福」なのでありまして,色んなお店で塩大福が売られています。が,ここは地元・飛び込みのおはるさんのお勧めが「みずの」さんということで,おはるさん,「みずの」さんに並んで皆さんのぶんの塩大福を買って下さいました!おはるさん,有り難うございました!この塩大福はのちほど頂くことに致しましょう。
ぶらぶらと地蔵通り商店街を歩くことしばし。考えてみればこの地蔵通りは,いわゆる旧中山道にあたるのではないかと思うのですが,残念ながら道標のようなものは見つけられず。ずーっと板橋方面まで行きますと旧板橋宿の名残を見つけることもできるのですが,今回は庚申塚のところで道を逸れちゃおうと思います。
西巣鴨のちょいと手前,地蔵通りを右にちょっとだけ入ったところに庚申塚があります。こちらはかの江戸名所図会にも描かれたところ。今ではほんの小さな祠があるだけですが,江戸の頃は中山道の立場として賑わっていたのだろうと思います。当時,ここから王子道が分岐していたのだと思いますが,これは今でも同じ。我々も王子を目指してみようと思います。
庚申塚の前をしばらく歩きますと,現在の中山道・車行き交う国道17号線を渡りますと,道には「お岩通り」の名前が冠せられます。その名の通り,細い道をちょいと歩いて左手,都電のレールを跨いだ先に妙行寺。ここには,かの四谷怪談に登場する「お岩さん」のお墓があるのだとか・・・。
で,境内の奥にある墓地に廻りますと,たしかにお岩さんのお墓がありました。もともとお岩さんの家が妙行寺の檀家だったようで,この妙行寺自体,もとは四谷にあったものがこの地に移転してきたもののようでございます。ちなみに墓地には播州浅野家の供養碑や「うなぎ供養塔」といった珍しいものも。
妙行寺の境内では,休憩も兼ねて先ほどおはるさんが買って下さった塩大福を頂きました。甘すぎずしょっぱすぎず・・・他のお店のよりも塩味は控えめで,かつ甘みも全くくどくなく,後味のさっぱりした,本当においしいお大福でございました。
さて,妙行寺からどこに行こうかと思っていたところ,どこからともなく「そういえばこっち方面には閻魔様もあるんじゃなかったっけ」との声。はてさてどこなんだか,場所もわからず「こっちだろう」なんて歩き出して10秒。妙行寺の隣のお寺を覗いてみると早速見つけちゃいました,閻魔様。
本堂はほんのちょっとだけしか開いてなかったのですが,お賽銭を入れて合掌してからストーカーのように隙間にカメラを押し当ててパチリ。いや・・・これが結構な迫力ではありませんか,真っ赤なお顔で大きさも結構なもの。深川の閻魔様よりもこちらの方が迫力あります。ちなみにこちらのお寺は善養寺といいまして,閻魔様も「江戸三大えんま」の一つなのだそうです。
非公式とはいえ久々の見廻りですので,ここで集合写真をば。例によって1名合成(笑)
善養寺の閻魔様を見たあとは,細道をぶらぶら歩いて都電の西ヶ原四丁目駅(停留所?)へ。これがまた普通の民家の脇に突然現れるんですよね,ホームが。都電といえば,我々には昨年も実施した「貸切都電」なのですが(笑)今回は普通のお客さんとして乗ってみましょう。祝日なので日の丸も誇らしげな車両に乗り込みまして2駅,飛鳥山で下車でございます。
飛鳥山で都電をおりましたならば,道沿いにちょいと歩いて音無川へ。今では親水公園として整備された音無川畔で一休み。これはこれでなかなか風情のあるところでございまして,上を通る車の音もせず,川のせせらぎを聞きながら木立の中での一服というのも,また贅沢な時間ではございます。
親水公園の上には王子神社。せっかくここまで来ましたので,王子神社にも参詣しておきましょう。
王子神社から,ぼちぼち「兎忠はまだか」の声も聞こえてきまして(イヤ,まだ午後3時なんですが・笑),地元・土田姐さんや谷中のうさぎさんのご案内で王子駅前方面へ。途中,江戸から続く料亭・扇屋さん・・・の「最後の砦」でもある屋台で玉子焼き購入。JRのガードをくぐって駅前へ出ますと「大衆割烹・半平」なんて看板を見つけた日にゃあ,足が自然にそちらに向かってしまうのであります。
さてと・・・あいてました「半平」さん。二階の座敷を占拠しちゃいましての兎忠スタート。窓の下には駅前を行き交う人々。怪しい奴を見張るには絶好のシチュエーション・・・そう,我々は決して「単に飲みたい」わけではなく,常に「市中の見廻り」を怠らないのであります。
・・・というわけで,なんだかんだと最高気温27度の中を歩いてきた密偵一行,まずは冷えたビールで乾杯!ンマイ!!!
この瞬間のために歩いているといっても過言ではありません(笑)
さ,今が午後3時過ぎなんてことは忘れて,美味しそうなもの,どんどん頼みましょう。
まずは名称失念・厚めの油揚げを焼いたもの。お醤油とネギが実に合います。こちら,ビールでも日本酒でもOK!
モツ煮。こういうお店では欠かせません。柔らかいモツ,あっさりめの味付け・・・与力好みでございます。が,やはりモツ煮はおビールよりも・・・というわけで,与力は「ぬる燗」をば・・・。
・・・というわけで,またやっちまいました。もー完全に飲みすぎ・・・記憶も曖昧なのではありますが,おそらく多々粗相をしてしまったことでございましょう・・・反省します。
ともあれ,非公式ながら久々の見廻り。突然のご案内,全くの無計画な段取りにも関わらず,こんなに多くの皆さんと楽しい一日を過ごすことが出来ました。皆さん本当に素晴らしい方々ばかり,色んなお話をさせて頂いて,美味しいものを食べて美味しいお酒を飲んで・・・本当に楽しい見廻りになりました。最後は毎度のことながら酔っ払って前後不覚の与力でございましたが(その割に二軒目にも行ってしまいました・・・汗),まずは御参集下さった皆さん,ご案内下さった皆さん,そして最後までお付き合い下さった皆さん,本当に有り難うございました!巣鴨から王子まで,歩いた距離はそんな長くはありませんでしたが,お江戸の風もかすかに感じつつ,のんびりとゆるやかな東京散歩,実に充実していたと思います。
まだしばらく正規の見廻り再開にはこぎつけそうにありませんが,またこんな形で非公式な散策をご案内したいものだと思います。その際にはこれに懲りず,またご一緒下さいますよう,どうぞ宜しくお願い申し上げますです。

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