電車の広告で見つけた<プロジェクトX キャスト国井雅比古氏>の講演を聴講するため、武蔵野女子学院の雪頂講堂に行った。
事前予約なし(早いもんがち)の無料の教養講座。
テーマは「私の出会った挑戦者たちの素顔」。
夫も行きたいと言っていたが、昼間は仕事だったので、聴講内容はこの日記のあとで報告することになっている。
人気があるだろうと開場30分前に行った。すでに50人位並んでいて、50代以上のおじさま・おばさまたちが多かった。
会場の収容人数は550人で、ほぼ満席状態に。
舞台の上には、パイプオルガンもあり、立派な講堂。
早く行ったかいあって、前から4番目の真ん中右通路側の席を確保。
司会者による紹介のあと、中島みゆきの「地上の星」のテーマとともに国井氏が登場。
前半はプロジェクトXの立ち上げまでの裏話を、後半は国井氏が出会った挑戦者の素顔についての講演をされた。
TVよりもさらに低音でとてもいい声だった。
【企画が決まるまで】
2000年3月28日からの番組大型改定ということで、前の年からディレクターたちが300〜400本の案を出した。1年もてばいいという程度のつもりだった。
最初「グレートチャレンジ」20世紀の世界的に大きなプロジェクト(アスワンハイダムやスエズ運河など)のドキュメントものが出たが、新しさがない。世界的なプロジェクトではなく、日本の戦後画期的なプロジェクトで、実際の無名の担当者の苦労話などが、ドキュメンタリードラマとして面白いということで、この方針に決定。
スタッフは、キャスト2人(国井氏と久保じゅん)・プロデューサー1人・デスク2人・ディレクター6人。
【テーマ曲・ナレーター】
中島みゆきにお願いしたが、民放以外のテーマはやったことがないと断られる。しかし、何度も足を運んでOKしてくれる。テーマ曲が番組にぴったり。
ナレーターの田口トモロヲは、TVでは顔をあまりみかけないが、CMでいい声ということで決まり。
【番組名】
「プロジェクトX」の「プロジェクト」は使いたい名前だが、「X」はあとで決まってから埋めるための仮題だった。JAPANとかCENTURYとか。いいのがなかったので「X」のままに。
【家に帰れない日々】
とにかく準備が大変で、徹夜続き、家に帰れないほどだったらしい。総責任のプロデューサーは12.5sも体重が減り、「視聴率は減った体重分12.5%は取りたいね」と言っていたらしい。スタッフはみな、家庭崩壊寸前、体崩壊寸前だったらしい(今もらしいけど)。
【最初の放送ゲスト】
第1回目の放送は「富士山レーダー」。高山病に苦しみながらの建設などのお話。番組に華やかさがないというので女優さんや著名人を呼ぶことに。藤原紀香、桃井かおり、松坂慶子などの案が出た。結局、ドラマロケで高山病に苦しんだ経験のある松坂慶子と幻冬舎名物社長の見城徹が出演。
放送前に一般に視聴してもらうと、40〜50代の主婦からは「芸能人とかではなく、プロジェクトの主人公に出てもらったほうがいい」との意見。実際にその意見の方が説得力があり、後にこの方針に変更になった。これが今でも番組が支持される理由かも。
【企業名を出すこと】
NHKでは、宣伝になる固有名詞はNGで、すべて一般名詞でなければならない。だから「VHS」「日本ビクター」の話の時は、一般名詞でいくか悩んだらしい。でも、あくまでドキュメンタリーを追求したいということで、固有名詞でいくこと。番組終了後、固有名詞による苦情は1本もなかったそう。
【放送開始2〜3週間はいまいち】
映像にいいのがないと、内部評価がいまいち。10月で打ち切りになるかと言われていた。そこで、みんなで出し合った5万円で、明治神宮に番組成功祈願。1年もったら、最後の放送は「プロジェクトXの『プロジェクトX』」の内容にしようと言っていた。
でも、1年くらいして8〜9%の視聴率が10%を超えて、今やNHKの看板番組になった。ちなみに、今まで祈願で使ったお金は25万円。
【ネタ・映像や裏付け資料が大変】
実際の当時の映像がないと再現VTRになるが、やはり説得力がない。「VHS」のとき、プロジェクト・リーダー高野氏の社葬でいいVTRがなく再現VTRにしていたが、直前に素人からの実際のVTRが手に入り使ったところ、番組としていいのができたという。
【国井氏が出会った挑戦者たちに言えること】
国井氏が印象に残った挑戦者たち
瀬戸大橋の杉田秀夫さん/青函トンネルの大谷さん/
Mr.コンピューターの池田さん など
Mr.コンピューター池田氏の「開発は感動から始まる。素直に感動したときは没頭しろ」。実際の現場を知っている人は「必ずできる」という自信がある。不可能はないという技術者は「できるまでやるからです」という。
人間の基本は「知」「情」「意」で、一番大切なのは「情」である。
【今後のプロジェクトX】
6年目も続けていくか検討中。上はやれやれというが、いいときに番組をやめるのもいいのでは。でも続けていくみたい。
スタッフも、ディレクターは6人から13人に増えた。
1つのテーマに3ヶ月かけて作成しており、1ヶ月はリサーチ・あとは映像や収録。在庫がない状態、できたてで毎回放送されているとのこと。
【最後に】
国井氏はNHKの不祥事のお詫びをして、講演を終わりにした。
予定より40分もオーバーしたが、もっと聞きたい感じだった。
講演中は、会場の笑いを何度もとっていた。
案外フリーでもやっていけるんじゃないかなと思う。本当におもしろかった。
もちろん、最後は中島みゆきの「ヘッドライト・テールライト」が流れておしまい。
今日はいいお話がきけて、お腹がいっぱいという感じ。
ところで、よねよねさんの「風呂ジェクトX」の実現まで、あと75名だそうだけど。実は、私も参加しているのよん。
http://www21.ocn.ne.jp/~yoneyone/ofurohonprject.htm