やすのぶさんに教わったことを思い出しながら、まとめてみた。
交響曲第2番ハ短調は、ブルックナーの4番目の交響曲。
1872年に初演し損なったブルックナーは、1873年に自身の指揮で初演にこぎつけた。
その後、1876年にも自身の指揮で再演した。そして、最初にこの曲のスコアが出版されたのは1892年のことだ。
それが初版だということだが、聴いたことはない。録音があるかどうかも知らない。
ハース版は1877年稿をメインとしたが、捨てるに忍びなく思ったのか1872年辺りのパッセージを独自に取り入れてしまった。そして「vi-de」を記し、カットして演奏出来るようにしたという。
しかも、自身で音符を足した部分もあるというのだ。
要するに、ハースはブルックナーが全くあずかり知らぬスコアを作り上げたということになる。
それに対し、ノーヴァクの編集方針は、絶対的な一つのスコアを作るのではなく、ブルックナーの書いたものをなるべくそのまま出すというものだった筈だ。なのに、「第二」は非常に曖昧だ。
最も分かり易いハース版との違いは、ハースのアダージョに対してノーヴァクはアンダンテという表記の第2楽章の終結の分散和音だろう。
ハースはホルンなのに対して、ノーヴァクはクラリネットとヴィオラが担当する。
その他音符の数やリズム、音そのものなど微妙な違いもある。
ここ以外の違いは第1楽章とスケルツォの終結、そしてフィナーレ・再現部手前のトロンボーンにあるが、他に聴感上の違いはない。
これらの部分は、ぼくにとってはどちらでも構わない感じだ。
ただ、ノーヴァクの第1楽章のコーダは「Sehr schnell」とあり、突然速いテンポになる。ちょっとおバカっぽい)*o*(
実は、第2楽章の終結部分は、ノーヴァク版の楽譜には星印付きのページが差し込まれていて、ハース版と同じように差し替えすることが出来る。
ハース版と同じ終結のノーヴァク版があり得る?
ということはノーヴァク版は、ほとんどハース版と同じなのだ。単なるハース版の再版か。
ノーヴァクは、せめてハースが書いた「vi-de」をカットすべきだったのだ。
終楽章におけるハースが作曲した部分まで残しているノーヴァク版は、キャラガンによるII/2とハース版によって埋もれてしまう。
キャラガンによるII/2は、とりあえず1877年稿ということだ。ぼくはまだ見たことがない。
2005年に出版されたキャラガンによるII/1を1872年稿とか初稿と言って良いらしい。厳密ではないらしいが。
前述の通り、1872年に初演の計画が流れて1873年に初演されたわけだが、その両者にも既に違いがある。
つまり、1872年稿と1873年稿が存在することになる。
キャラガン編集により、両者をアイヒホルンが演奏している。
しかし、実際はキャラガンによる考察の結果としての推測を入れざるを得ない。なぜなら、ブルックナーの改訂作業は連続したものなため、ハッキリした区切りをつけることが不可能なのだ。
アイヒホルンによる演奏を残したのだし、とりあえずでも良いから1872年稿と1873年稿を出版すれば良いのにと思うが、いろいろな問題が発生してそうもいかないらしい。
1990年録音のアイヒホルンの1872年盤は、ハース版を基にして1872年稿に直していったような感じがする。II/1とは、違う部分がいくつかあり、そこがハース版に準じているからだ。(1996年録音のティントナー盤も)
それに比べ、2006年録音のシモーネ・ヤング盤は、間違いなくII/1だ。