ギュンター・ヴァント指揮ケルン放送交響楽団でブルックナーの交響曲第2番を聴いた。
【BVCC8911/12】という1番といっしょの2枚組CDで、1981年12月の録音。
楽譜にないクレッシェンド・ディミヌエンドを多用した細かい表情付けやバランス操作などやりまくっている。にもかかわらず、引き締まったテンポと明瞭で強いアタックやラッパの強奏から、豪快な演奏という印象を与えるところが如何にもヴァントらしい。
指摘しだしたら枚挙に暇が無いくらい小技のオンパレードで、その意味ではスクロヴァと同系の演奏なのに、小賢しさはそれほど感じさせないどころか、スクロヴァと対極にある演奏と感じさせるところがヴァントの良さだ。
第1楽章では、最初のラッパの象徴リズム(20小節)から耳を惹きつけられる。フォルテのラッパは小さく強く、それだけでなく他パートは音量を落としてからクレッシェンドするのだ。
第2主題のテンポは速めにもかかわらず豊かな響が創造される。ご機嫌なお散歩。流石だ。
最後は猛烈なスピードで嵐のように終結する。好みではないが、これはこれでカッコイイ。
第2楽章など木綿の手触りのような響がブルックナーらしく、素肌美人のような美しさだ。
心地良いアンダンテ。
《C》の前、《G》の前からの3回、《H》の前のホルンとトロンボーンによる和音は、その発音からバランスから縦の線から、とにかく完璧に響く。オルガンのようであるべき部分がオルガンのよう。
130小節からのクラリネットは、前出のフルートに合わせてスラーをはずす。これが正解だと思う。
コーダがホルンヴァージョンでないのがくれぐれも残念。
第3楽章のトリオは、強めに入るトレモロからしてフレッシュだ。
30〜33の木管のアーティキュレイション変更統一も悪くない。
この楽章はスケルツォの粗くならない豪快さと、トリオの渇きを癒す清水のような爽やかさの対比が見事。
第4楽章もいろいろやっているが、蠢くエネルギーが1つに纏まって巨大な生命エネルギーに成長していくような即興性が素晴らしい。
481小節からのラッパの4分音符がわざとらしく長い。
575小節アウフタクトからのヴィオラはpizz.だ。
ヴァントがどの資料を参考にしたかは知らないが、第1楽章と第3楽章はハース版、第2楽章と第4楽章はノーヴァク版といえる。
第3楽章はスケルツォもトリオも、後半を繰り返さない。
全てvideによるカットはなし。