カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン交響楽団で、ブルックナーの交響曲第2番を聴いた。
【TOCE-1569】というディスクで、1974年12月録音。
落ち着いたテンポで、なかなかイイ感じの演奏だ。
遅いってほどのテンポではないが、一フレーズ、いや一音一音が決して流されずに先を急がず響いていくので、落ち着いて愉しめるのだ。
ただ、ややメロディ中心主義の響は、聴きやすく飽きやすい。
尤も、ブルックナーにメロディがあるのかってな疑問はおいといて、要するにジュリーニが重要と考えるパートラインを浮き上がらせるということだ。
その方法は、他を抑えるという方法だけでなく、抑えずにメインパートを強くすることも多い。
だから強さを損なわないバランスとなり、ブルックナーらしい強い響きの解放感を味わうことが出来るのはメリットだ。
しかも、そのメインパートの強調は音価を長めに保ち、音量を大きくするだけでなく歌も伴う。ちょっとしたルバートなんかが潜む時もあるのだ。
じっくり聴くと独特で美しい。
良くも悪くも、スクロヴァとは違うタイプの小賢しさがある。繊細にして大胆な演奏。
例えば第1楽章、12小節からのヴァイオリンとヴィオラの六連符はクレッシェンドにもかかわらず抑え続け、15小節でいきなりクレッシェンドを生かしてチェロから第1ヴァイオリンへのリズムの受け渡しを鮮烈にするなんて小賢しさがある。
225小節からはフルートのフレーズをホルンで豪快に重ねるなんて変更もしている。
第4楽章、220小節、スクロヴァがクレッシェンドしたヴィオラは、弾き直して強調する。
また、575小節のアウフタクト、例のヴィオラは朝比奈などと同じくpizz.にしている。
この第4楽章には477小節でホルンがひっくり返ったり、コーダ663〜667でアンサンブルの乱れがあったり、微笑ましいミスがある。
ノーヴァク版でカットあり。