スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮ザールブリュッケン放送交響楽団でブルックナーの交響曲第2番を聴いた。
アルテノヴァの1,000円盤【BVCE38029】で、1999年10月録音。
微に入り細を穿った、小賢しさ満載の『スクロヴァのブルックナー』。
第2楽章を除いて基本テンポは速めで、スケールも小さい。
響を整理するために、長い音符をfp的にするとか短めにするとか、アクセントを活用するため歯切れは頗る良い。
響の整理は、特定のパートを浮かび上がらせるためのバランス操作を伴う。
“浸る”という充実感が今一で感動からは遠いが、面白さは随一だ。
とても全ては指摘し切れないが、目立つところだけでもメモしておこう。
●第1楽章
全曲を通して象徴リズムは、リズムとしては完璧だが、音を短くしてかなり明確にしている。ffになった時、そのリズムの交錯が面白さを発揮する。
明確な音楽づくりに寄与しているものとして、418小節からのヴァイオリンは8分音符2つづつのスラーに変更し、446〜450の8分音符はスラーなしにするなんてのもある。
529小節のオーボエにフルートを、531小節のフルート・オーボエのフレーズにホルンを重ねているか?
これはカットしたvide部分からの引用かもしれない。
終結部分から、ハース版による演奏と思われる。前述の通りカットあり。
●第2楽章
第2楽章は速くない。アダージョのテンポだ。
《L》からのヴァイオリンは「3+2+3、2+3+2」というリズムだが、全部均等に馴らして弾いているように聞こえる。《M》からの断片が浮遊する不思議な感覚が消えて今一だ。
終結部分から、ハース版による演奏と思われる。カットあり。
●第3楽章
第3楽章は、速くて軽い。響のゴチャつきは一切ない。けっこう気持ちイイ。
トリオの60〜69のファゴットはホルンにかえている。
コーダのティンパニの強打は凄まじい。
149、150小節でラッパとトロンボーンを抑えてフルートとオーボエを浮き上がらせるのも面白い。フルートはオクターヴ上に変えているか?
一切繰り返しはしないがハース版のスケルツォ終結でトリオへ入る。しかし、ダカーポしてコーダへ入る時はノーヴァク版による。
この案、なかなかイイと思う。
●第4楽章
60〜63小節でヴァイオリンをテヌート気味に強調したり、展開部の手前、ヴィオラだけを強調するためにクレッシェンドして220小節に入ったりするのは、意味あり気だが無くもがな。
ちょっと速過ぎるテンポだが、290小節からのバランスは奏法も含めて気持ち良く愉しめる。
そして以前指摘したコーダ直前のピツィカート部分(ハース版の575アウフタクトから)。
ヴィオラのアルコ(arco)を強調する。
なかなか新鮮だ。
再現部手前のトロンボーンのフレーズ(349、351、361小節)からハース版と思われる。全てカットはしない。