朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団でブルックナーの交響曲第2番を聴いた。
1994年録音のキャニオン盤。
ゆったりしたテンポでスケールが大きく、朝比奈らしい浸ることの出来る響は健在だ。
しかし、全ての音がテヌート気味なためかのっぺりして若々しさに不足するのが欠点だ。というか、魅力になる時もあるので両刃の剣という感じ。
最後まで、象徴リズムは明らかに間違ってる。
3連符に付点をはめ込む部分が3連符になってない。これじゃ阿波踊りのリズム(>_<)
第1楽章では、展開部《H》からなど響の整理が足りない。
その手前、木管の3連符と弦のピツィカートにのったホルン・ヴィオラの応答部分などが愉しい響を堪能出来るのに残念。
《L》からの第2主題のところで、手前のバスの第3主題のリズムを受け継ぐクラとフルートが大きめで、不思議な感情を呼び起こす。
何かを狙った表現でなく、単にppを軟弱にしなかった結果だと思うが、聴き手のイメージを自由に膨らませるのがブルックナーだから、こういう偶然性は評価出来る。
そして、朝比奈の演奏はそれが多い。
第2楽章は、確かにアダージョだ。
広々として深い響がひんやりと佇む。人為を感じさせない、常温の冷たさが良い。
102小節では第1ホルンが一瞬飛び出すチョンボ。
第3楽章、第4楽章も遅いテンポでスケールが大きい。
全てのパートがしっかり弾き切った響の立体感と迫力に惹かれる。
ただ、スケルツォではリズムの不正確さからくる茫洋とした部分があるのが惜しい。遅いテンポがオケの身に付いてない感じなのだ。
トリオではつまらないところ(繰返し後の55〜など)でのアンサンブルの乱れが玉に瑕だが、涼やかな響に浸れる気持ち良さは魅力的。
その点、第2主題部と展開部でさらに遅くなる第4楽章は、強めのppも相俟って実に雄弁。朝比奈の良さが最もよくでた楽章だろう。
最強奏部分でのバランスの崩れなど委細構わないが、それすら魅力的で惹き込まれる。
スケルツォでもそうだったが、野趣あふれるティンパニ最強打。あばたも笑窪ってわけじゃないと思う。
もちろんハース版による演奏だが、第1楽章と第2楽章のvide部分をカットし、第3楽章はトリオの後半も繰返しをする。
第4楽章は再現部の最後のvide部分(540-562)はカットしているが、終結部(590-651)はカットしていない。
ぼくにとって、第2楽章のカットが致命的だ。