バレンボイム指揮シカゴ交響楽団でブルックナーの交響曲第2番を聴いた。
【429 025-2】というグラモフォンの全集からの1枚で、1981年3月の録音。
技術的に巧いオケが、手を抜かずにしっかり演奏すれば名演になるに決まっている。
バレンボイムの解釈はややロマン派風だが、オケの音色が粘着質でないため押しつけがましさやしつこさ、暑苦しさなど出てこないところが良い。
例えば、随所で軽くかかるポルタメントとか、第1楽章《A》(26)の前でディミヌエンドしちゃうとか、《U》(554)の前でテンポを速めちゃうとか、バランス操作を施した第3楽章のコーダで見得を切るとか、フィナーレの第1主題でタメを効かすなどブルックナー的ではない部分が有る。
しかし、基本テンポがどっしりと安定しているため、気にならないどころか熱くクリアな響と相俟って納得出来てしまう。
ポルタメントなどサラリとした甘さなのだ。
響はダンゴになるところが皆無だ。
立体的で意味深く、聴いていて愉しい。第3楽章など、遅めのテンポで豪快な響で鳴らし切った名演(トリオの表情の幅が狭いのはどうしてだろう・・・?)。
ガリガリ弾く弦や強奏しながらも理性的な金管だけでなく、木管の巧さも魅力的。スケルツォの24小節、フィナーレ424小節からのフルートなどとってもチャーミングだ。
そう、弱音部も豊かな音楽が鳴っているのだ。
第2楽章の主題三現《K》からは、第2ヴァイオリンの優しい響が聴ける貴重品だ。
使用楽譜は、第3楽章・トリオの後半の繰り返しはしないが、カットなしのハース版。
ただし、第2楽章の主題三現の手前(133)でホルンが違う音を吹いて違和感がある。
本来、実音「As」なのだが、次の第2ヴァイオリン(135)に合わせたためか半音高い「A」を吹くのだ。
130小節からのホルンは、少ない音符だが微妙に変化していき最後に第2ヴァイオリンの音へ到達すべきだから、ここで第2ヴァイオリンと同じフレーズになってしまうと違和感がある。
やすのぶさんに聞いたら、初版だけが「A」だそうだ。
バレンボイムはハース版を使いながら初版を参考にしたのか?