『どこに行くの?』
小さな町工場で働くアキラ(柏原収史)はある日バイクの事故がきっかけで香里(あんず)という女性と恋に堕ちるが、その矢先に偶然社長(朱源実)を殺害してしまい・・・とゆー、カルト映画『追悼のざわめき』の松井良彦監督にしてはえらくカワイらしい青春ラブストーリー。
とはいえやっぱ松井監督なので、アキラが社長にセクハラされてたり刑事(佐野和宏)相手に売春してたり香里がトランスセクシュアルだったり、「・・・」な設定はゴチャゴチャある。けどハッキリいえばそういう設定は物語とは直接は関係ない。物語だけをみれば、こういう設定はむしろなくてもいいくらいだ。
ところが映画全体をみれば、これらの設定こそが作品の主軸・主体になっているからおもしろい。社長のキモさや刑事のいかがわしさはみるだに不愉快きわまりなくて、リアルさのあまり画面から目を背けて走って逃げたくなるくらいだったりもするんだけど、そういう「ふつうじゃない」愛もまた愛であることに変わりはない。こんなことがちゃんと映画として表現できるってとこがさすが個性派でございます。だてに22年も沈黙してたワケじゃーないのねー。
けど22年の沈黙は多少のほころびにもなっていて、台詞の半分くらいは削った方がよかったんでは〜?な蛇足口だし、ストーリー展開や編集にも何ヶ所かツッコミどころはありました。すごく気になるってほどではなかったけど、あれくらいならもうちょっと追いこんでもよかったんじゃないかなと。
よかったのはあんずがメチャクチャふつうの女の子だったところ。こういう映像作品に出てくるトランスの人ってやたらめったらがっつりと女性性を強調した、モデル系とかコギャル系な子が多い気がするんだけど、あんずは良くも悪くもまったくごくごく当り前のなんてことない子だったのがリアルでした。
あとは。やっぱ柏原収史は顔がエロい(爆)。兄の崇の方もそーだけど、この兄弟って顔エロいよねえ?すごく?目つきがとろーんとしてて唇がぷりんとしてて、肌も白くてしっとりモチっぽくって中性的とゆーか。ぐりは毎度彼らが画面にうつるだけで軽くモンゼツしてしまうのですが。アタシが変態?そーですか・・・。しかしそのエロ顔な柏原弟に刑事のアレをアレする芝居を意味もなく延々させたり、監督もヨコシマな観客のツボはなかなかしっかり把握しておられますね(笑)。
ちなみにぐりは『追悼のざわめき』は観たことありません(爆)。今はソフト化もされてるし観ようと思えば観れるんだけど、どーもねー。個人的には映画は芸術的とか先鋭的であることよりも娯楽的であることの方がプライオリティが高いのでーなんてのは言い訳ですね。単にビビりなだけっす。
大昔、友だちが松井監督と個人的な知りあいでわざわざ席を設けて紹介してくれたことがあったんだけど、その時すら面と向かって「観たことないです」なんて堂々と言い放ってたな(爆)。若いってこえーな。