先日の日曜日は山梨県立文学館というところまで「
深沢七郎の文学」展を観に行きました。(こういうのを観に行くと書くのは合っているのでしょうか?)
七郎と言えばあの「楢山節考」ということになるのですが、最近ではその本すら、ほとんど本屋で見かける事もなくなっております。
そんな今、忘れ去られようとしている文学世界に突然、スポットが当たっているではありませんか!
(誤解の無いように言っておきますが、私自身がちょっと忘れかかっていたのでしょうナ)
サブタイトルが「楢山節考」ギターの調べとともに とあります。
ご存じない方の為に言っておきますと、深沢七郎は作家になる前はギタリストとして活躍していたのです。ここらへんも私の感覚とピッタリなところなのかもしれません。

これは少し遠いところですが、行くしか無いでしょう!
と勇んでいたものの、実際問題、甲府あたりまで行くのはちょっと距離がありますな〜。
行ってみてショボかったらどうしようか、という考えが頭をよぎりました。というか、単に出かけるのが億劫になってしまっているだけなのでしょうが、とにかくこんなチャンスはもう最後かもしれないと自分に言い聞かせて妻子と一緒に出かけました。
行く気になったもう一つの理由はよく調べるとこの文学館の隣には山梨県立美術館があり、なんとミレーの「落ち穂拾い」をはじめとする所謂バルビゾン派の有名作品がコレクションされているのです。
普段はこういった絵画の世界もあまり熱心ではないのですが、超有名な絵の本物はどんなものかな?
くらいの興味もあり、子供(小3)の存在がネックだったのですが(ギャラリー大嫌い人間です)重い腰を上げたのでした。
車で地道を走ること約二時間半、目的の文学館に着きました。
ちょうど目の前のジャズ喫茶の様な店から店外スピーカーにて大音量のオヤジボーカルが聞こえています。それにしても常識はずれなボリュームで、訝らずには居られないのでしたが、お客さんが何気なく入っていく姿が見えたりで、不思議なロケーションでした。
文学館と美術館は同じ敷地内にあり、あいだの公園には野外彫刻の数々が設置されています。これには子供も興味を示すかな?と思われましたが、
「面白くない」
と軽く一蹴されました。やはり子供に芸術は必要なさそうです。
そういうわけで、文学館に子連れで入る事は百害あって一利無し、私一人で入り、妻子は外に待たせたのでした。
中に入ると思ったより充実した内容でした。見た事も無い子供時代の深沢七郎の写真や若い頃に同人誌に寄せた詩のようなもの(同人のメンバーでは無かったそうでしたが…)三島由紀夫や正宗白鳥等有名作家の推薦文元原稿、もちろん深沢作品の元原稿の数々も展示されていました。赤字で訂正してある部分等良く読んでみるととても面白かったです。
そんな風に深くDigして展示物を見ていると嫁からケータイに連絡が入りました。
「まだまだかかるんやったら、先に美術館に入ってるよ」と。
すると、鬼の首を取ったかのように監視員の女性がツカツカとやって来て、注意されました。(外に出てお話しください)

別にたくさんの人が入っているコンサート会場でもないのに、そんなに神経質になるなよと、何か腹が立ったと言うか、理不尽な思いがしました。こんな感じが日本独特の嫌なところだと思います。およそ文学というものからかけ離れたセンスだと言い切ってしまいましょう、こんな夜は。
そして思わぬ拾い物だったのは、七郎愛用のギターが二本、展示されていた事でした。ヴァイオリン制作者が手作りしたギター。そのうちの一本は、本当にヴァイオリンの構造をそのままギターに当てはめた様な、言わばギブソンのアーチトップ、fホールのギターに近いものでしたが、よりヴァイオリン臭を感じる興味深いものです。ガラスケースの中に入っていましたが、是非弾いてみたい逸品でした。
最後の方では楢山節考の授賞パーティの様子が上映されていました。
挨拶をする三島をはじめとした文壇の著名人等、七郎自身の動画にも感動しましたが、最後にバンドマン時代の御友人一行様という事で日劇ミュージックホールの沢山のストリッパーがトップレス姿で踊り、周りを取り囲まれた深沢七郎は最高にクールでかっこ良かったです。
なんだかんだいって、遠路はるばる来た甲斐がありました。(おや、シャレですナ)
この催し、11月6日までやっていますので御興味のある貴兄は是非!

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