「キーポイントはRS」
6周目トップ#18 58,707、#23 58,433、#27 56,792。前方2台は58秒台ペース。私は56秒台ファステストラップで一気に前車2台の間隔を詰め始めた。7周目#18 58,519、#23 58,950、#27 57,778ようやく眼前にトップ2台を捉える。8周目#18 58,707、#23 58,172、#27 57,371。9周目#18 58,210、#23 59,388、#27 59,372。9周目ここからが正念場、RSクラス#7の一台には3台ともパスされたが、残り3台のRSにレース後半でパスされる事になる。まずは、気になる2台がミラーに写り始めた。後方RS2台は、テールツゥノーズで2位争いをしていた。という事は、どこかで一気に2台にパスさせなければならない。相手もテールツゥノーズで必死の状態。前を行く我々のクルマを使って前方の相手に仕掛ける可能性も有る。ならばラインもどこから来るのかわからない。
「勝負所」
S字区間を過ぎたあたりから後方からRS2台がグングン接近して来た。逆バンク進入では我々2台を含む4台が1列縦隊になった。私は、迷い無く自分の逆バンクラインを守る。そうする事でRSの2台はダンロップに向けて早目にインに切り込んで行くからだ。案の定、ラインを守った事で後方2台は一気に私の横を抜いて行った。#23はすでにダンロップへアプローチを始めていた。後方からRS2台がショートカット進入で#23に詰まってしまった。私は、マイラインのままだったのでスピードを緩める事なくショートカットへ進入。ショートカットコーナー内で#23、#1(RS)、#12(RS)、#27による4台のテールツゥノーズのまま立上がった。ラップタイムは落ちたものの、最も安全なストレート区間で2台をパスさせた事が後に続くレース終盤のプロローグとなった。

「#23との攻防の行方」
10周目#18 59,857、#23 58,378、 #27 58,011。ショートカットから立上がり、前のRS2台のスリップを使える事が出来た。#23に至ってはホームストレート中盤あたりでRSに抜かれる事により1コーナー進入でややRSに詰まってしまうカタチになってしまった。そこで一気にテールツゥノーズに持ち込んだ。前方#18にとっては後方から迫り来るRSは疫病神になってしまったようだ。ちょうど2コーナーからS字区間でRSが#18の後方にテールツゥノーズになった。RS2台は2位争いの真っ最中。お互い、前を行く#18を抜きたいが大幅なライン変更は無理。遅い#18に捕まったカタチでS字3つ目の先まで追い越す事が出来なかった。ここで我々2台は、#18の後方に食らいつく事が出来た。この局面で前方#23の判断はどうか? 逆バンクから#23とテールツゥノーズのままダンロップを駆け上がる。私は、ショートカット進入で#23のインを刺す用意はあった。しかし、ショートカット進入でインを刺す事は相手が飛び出してしまう可能性が大きく、チームメイトとしては、そのリスクを冒す事は、やはり出来ない。テールツゥノーズのままショートカットを立上がり2台は1コーナーへ向う。ホームストレート上で私は、#23のスリップに入っていた。1コーナー進入でイン側に進路を取った瞬間! #23がそのインを僅かに開けてくれたように見えた。#23は百戦錬磨のドライバーだ。#18に追いついた事で2位死守から、私を前に出させ#18との勝負を演出してくれたのかもしれない。
「追撃開始!」
これでトップを猛追する展開になった。前方#18にグングン追いついて行く。11周目#18 59,178、#27 57,522、 #23 58,602。この周回で最後のRSが私をホームストレート上で抜いて行った。前方#18にとっては、これがまた不運の始まりだった。1コーナーから2コーナーの間でRSをパスさせた事でスピードが鈍り、私は、すかさずテールツゥノーズに持ち込んだ。S字区間を過ぎ逆バンク、ダンロップへ。照準をショートカットに定め、ショートカット立ち上がりからスリップに入り1コーナー勝負に持ち込む。案の定#18のショートカット進入のアプローチ速度は鈍り、立上がり区間からテールツゥノーズに持ち込めた。ホームストレート上に出て、このままスリップを使いながら??? 直前部分に入った瞬間。目を疑った・・・まるでターボでも装着されているかの如く凄まじい加速で引き離された。全く持って太刀打ち不可能。#18は、今回のレースに向けエンジンOHして来た。レギュレーションで許される最大排気量までボーリングを施し、オーバーサイズピストンをブチ混んで来たのだった。更に純正ECUからDTAフルコンにECUも変えていたのだった。
「2コーナー立上がりからS字区間の攻防戦」
「最大の武器はエンジンパワー」
ストレートでは離されてしまったが、2コーナーで一気にその差は詰まり、再びテールツゥノーズに。あの加速の差を見せつけられた今となっては、1コーナー勝負は無理と判断。作戦をコーナーに変更した。それでも安全な抜き場所はストレートだ。各コーナーで揺さぶりをかけ、もう一度ショートカット立ち上がりで勝負をかける事にする。S字区間で#18に揺さぶりをかけつつ隙あらばインを刺す状況で逆バンクからダンロップへ。ショートカット入口で若干スピードが鈍った#18に、やや後方から立上がり加速を鈍らせないようにスピードを合わせた。ショートカット出口で上手くスピードが乗り、過去の経験から絶対にスリップに入れる間合いが取れた。クルマがホームストレート上に出た瞬間、前の周回と同じ現象を見せつけられる事となった。あっ!という間に#18は離れていった。グランドスタンドで応援してくれていた友人からも「ストレートは、まるでクラスが違うクルマか? と思った」というコメントを貰ったくらい、凄まじい加速力を持った#18だった。
「ショートカットにロックオン」
残り周回数は3周。最も安全なストレート区間でオーバーテイク出来ない事はこれで分かった。戦況は、このままだと#18の前に出る事は不可能だ。後は、コーナー部分で#18がミスしてくれるのを待つしかない。だが、それには残り周回数が少なすぎる。作戦変更は、#18が最も苦手とするコーナーに照準を合わせリスクは伴うがそこで勝負をかける他ない。#18のスピードが最も鈍るショートカット入口にオーバーテイクの照準を合わせる事にする。1コーナー進入までマージンを稼ぐ#18だが、2コーナー立上がりで一気に追いつく事が出来る。前の周回より幾分タイムも速いおかけで、私のスピードも落ち込みが少ない。#18がペースを上げた理由は後方を確認したからであろう。だが、引き離そうという意識が働く事でミスが増える。
「S字3つ目から逆バンクの攻防戦」










思った通り逆バンク出口で#18はアウト側に少しはらんで行った。逆バンク出口アウト側にはらむ事でダンロップ上りのスピードは鈍る。思惑どおり#18のショートカット進入速度が鈍った状態で進入した。イン側縁石を過ぎた場所から前方#18はややアウト側へはらんだ。その間隙を突いて#18のインにノーズを入れた! ここからショートカットは下りになる。サイドバイサイドでお互い出口縁石を目指す。あと少しで出口縁石というところで#18は、ググッとノーズをイン側に向け横に居る私に牽制をかけて来た。そんな行為は私にとっては想定内だった。苦し紛れにインにノーズを入れた事によってアウト側に居る#18は益々アンダーステアが強くなった。出口縁石を通過する区間からストレートまで#18にとっては最もアンダーステアが強まる区間なのだ。#18は強烈なアンダーステアに見舞われながら、意地でも私の前に出ようとする意志が見て取れた。しかし、その先はコースが無い! あるのはアウト側サンドバリアだ!
「ショートカットでロックオン! 」



眼前にホームストレートが見えて来た。横に居た#18は、編隊飛行中、敵機の銃撃に合い撃ち落とされて行く戦闘機のように、私に別れを告げるが如くアウト側サンドバリアに突進して行った。すかさずミラーで後方を見た。ミラーに写し出された光景は、#18は、車体をジャンピングさせながら右へ左へ飛び回っていた。すぐさま3番手に付けていたチームメイト#23を確認した。後方から何事もなくショートカットを立上がって来た#23がそこにあった。#18が飛び出した横を駆け抜けて来たのだった。
コントロールラインを通過しファイナルラップへ。このレース中に始めて安堵感を持ったファイナルラップだった。コントロールタワーからチエッカーが振り下ろされ、ピットレーンにはメカニックを始め、応援に来てくれた皆が大きく手を降ってくれた。これで久々チームグリッド、ワンツゥーフイニッシュを決める事が出来た。
予選PP、コースレコード更新、決勝中ファステストラップ記録。決勝トップからスピンし3位転落。追い上げて#18、#23との攻防戦の末。優勝という大きな経験が出来たレースだった。
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飯田氏
わいるど氏
多賀猫さんのご友人
TANKS!