11月21日
起きたら皆居ない。毎度の事だが寂しいものだ。
軽く御飯を食べて銀行に行って円をポンドに換え、床屋へ。
駅で成田エキスプレスのチケットを買い、喫茶店でこれを書いている。
明日からロンドン。ワクワクもドキドキもしていない。仕事だからか、歳か。
東京は今16時半。ロンドンは7時半。3時に寝るとすると、ロンドンは18時なので、駄目だ。でも8時台の成田エキスプレスに乗らないといけないので、どうしよう。
11月22日
朝7時半に起きて品川発8時20分の成田エキスプレスで成田へ。飛行機に乗り込む。相変わらず狭い。窓の外を見て、本を読んだりしているうちに御飯が来て食べ、食べ終えてぼんやりしているとサンドイッチが来て、イギリス時間で6時位になったので寝る。12時くらいに起きてまた本を読み、御飯を食べ。機外を眺めると分厚い雲。触れそうな存在感。雲に突入するとその分厚さがわかる。時々雲の切れ目から町並みが見える。これがロンドンの雲か。15時位にロンドンに着いた。
ヒースロー空港から、地下鉄でホテルの近くの駅へ。外に出ると映画のセットみたいな街でちょっと驚いた。街灯の数や高さがそう見せるのかも知れない。17時ちょっと前だったけどもう真っ暗。これは気が滅入るな。
ホテルの部屋の明かりもなんだかぼんやり白く滅入る。
携帯が使えるので東京の人とメールする。19時くらいに御飯を食べに行く、近くのパブでフィッシュ&チップスを食べる。フィッシュを揚げたものと、ポテトを揚げたもの。
帰ってお風呂の入り、吉田君のポッドキャストを聞いたりして、寝る。
布団がツルツルしていて薄いのを何枚か重ねているので、寝ている間に、一枚一枚布団が落ちていく。
11月23日
起きてぼんやりして朝ご飯を食べに行く。パンとソーセージと目玉焼きとベーコンを取った。ソーセージはなぜか糸をひいている。腐っているわけではなく、水あめみたいな粘液がついている。甘くは無い。なんだろうか? あの粘りは。
部屋に戻って仕事をしていると、警報が鳴り響いた、凄い音。火事か? 一分ほどで鳴り止んだ。ドアを開け耳を済ませたら、各部屋の客たちもざわざわしているが、誰も出てこない。誤報かな。これを書いている。
夕方から仕事なので、10時くらいにホテルを出て大英博物館に行った。確か15年位前にも来たことがあったはずなんだけど、全然思い出せない。不思議なことだ。行ったことは知っているんだけど、そのこと事態をほとんど思い出せない。
とりあえず、地図も何も見ないでとにかく歩き回る。ロゼッタストーンとかラムセス二世像(?)とか有名所を見るが、背景を知らないので「へー」とかしか言えない。それにしても随分集めたものだなあと感心しながら回る。さすがに飽きさせない。3時間くらい歩いたところで食事。カレーを食べた。美味くも不味くもない。味が薄い気がする。出汁の文化が無いからじゃないかなあとか考える。
食後は二階を中心に回る。二階の方はどっちかという近代で、一階比べて収蔵品の技術力が上がっているように感じた。二階の方が楽しめた気がする。
多分全部回った。6時間くらい。面白かった。
ホテルに戻って一時間くらい休んで国際交流基金のビルに行く。
そこで話す。僕の芝居を一回見たことがある人(司会者のような役割)の質問に答えるという形だったけど、お客さんは僕の芝居を見たことが無い人がほとんどだったので、これはヤバイなと思い、途中から質問に答えると言う体裁をとりあえずとりながらも、ほとんど自分の話したいことを話すことに終始した。
お客さんからの質問も沢山来て、言いたいことも言えたし、まあまあ成功だったのじゃないか。通訳のベサンさんも凄く上手でよかった。
終わったあとに中華料理につれていってもらう。やっぱり味が薄いように感じる。塩が足りないっていうか味が足りない気がする。
11月24日
起きてご飯を食べて国際交流基金のビルへ。昨日トークしたところで今日はリーディング。こっちのリーディングは一日稽古して、すぐに本番らしい。座ってただ読むだけのこともあればちょっと動くこともある。演出家によって様々なのは日本と同じ。
ベッキーさんという女の人が演出家。稽古を見ているだけのつもりで来たら、ちょっとした遊びをするので一緒にやりましょうと言われ、ひく。しかし、本当にちょっとしたもので一安心。
終わってディスカッションし、一回読む。そのあとまたディスカッション。これはどういう意味か?みたいなことを聞かれるので応える。
昼はカレーを御馳走になる。やっぱり味が薄い気がする。うーん。思い込みか?
昼も本読み。俺は基本的に見ているだけにした。演目は「迷子になるわ」で、主人公の女優さんがとても良い気がして見ていた。
17時ころまで稽古して少し休んで本番。
一番前に座らされる。始まった。稽古の方が良かった気がする。緊張しているからか、役者に力が入っている。主役の子も、稽古場ではもう少しヘラヘラやっていたところも、ぐっとシリアスに演じてしまっている。笑いをとるのに力で行こうとする。笑わしたい時は、笑わさないようにやらないといけないと常々思っているが、どうしても笑わしに行ってしまう。これは別にイギリス人に限ったことじゃない。笑わすためにおどけたりするのは良くないと思う。でもまあ、趣味の問題よな。
終わってから壇上にあがり質疑応答。沢山の質問が来る。
お客さんは大変喜んでくれたように見え、これは世界中どこでも通用する作品だ、という類のお褒めの言葉を数人からもらったが、信用しない。本人を目の前にしたら褒めるのが人情だ。
でも、僕自身がこの作品は良いと思っているのでそれで良い。
終わって数人で飲みに良くと言うのでノコノコついていった。1時くらいまで飲んだが、眠くて駄目だ。帰って眠る。
11月25日
起きてご飯を食べて、出かける。今日は一応オフの日。イギリスに来て全然仕事をしていないのでヤバイと感じているが仕事をやれる良い場所がみつからないのを良いわけに遊びに行ってしまった。
自然史博物館には恐竜の化石が沢山あるというので行ってみる。しかし子供だらけで駄目だ。早々に引き上げる。そのあと隣にあるビクトリア&アルバータ?アルバート?美術館に行く。なんだか焦点がぼんやりしている。日本の美術館より断然広いのだが、なにかありがたみを感じない。日本の美術館は高尚な雰囲気がしすぎて鼻持ちならないという意見もあろうが、イギリスはカジュアル過ぎて馴れない。床に子供が座っている。別にそれでも良いけど。なんか僕はきっと美術館に信仰の場のような気持ちを持ち込んでいるのだと思う。展示品に聖性を見ているというか。だから、それがただのものとして扱われている(もちろんそんなこと無いんだろうが、個人的になんとなくそう見える)のを見るとどうも興が冷める。
とりあえず腹が減ったのでビーフシチューにパイで蓋がしてある奴と野菜を食べる。これは美味かった。
お釣に小銭を貰ったのだが、こっちの硬貨は分厚くて重い気がする。どうも、この硬貨の重さがドネーション文化に一役買っているような気がするのである。
地下鉄に乗り東の方へ。ロンドンの地下鉄は複雑だけど、とても簡潔でわかりやすい路線図が駅の要所要所に掲示してあるのでとても良い。日本に来た外国人は、戸惑うんだろうな。
僕が愛用しているシャツがイギリスのメーカーでその直営店がロンドンにあるそうなので、行ってみた。そこは細い通りでなんとなくガラが悪い。壁に落書きがしてあったり、タイヤやサドルを盗まれた自転車がガードレールに引っかかっていたりする。
しかし、小さくて面白い店が何軒かあり、行ってよかった。
キツネのマークの店で五反田団の皆に手袋を買った。
まだ時間があったので16年前に行ったピカデリーサーカスに行ってみる。
物凄い数の人。世界中の田舎者が集結したかのような感じ。俺もその一人。
ケンジントンアーケードに行ってみる。金持相手の店が立ち並んでいるが、そこに観光客が群れていると、高級ってなんだろうと考えてしまう。
三越に行ってみたら死んでいた。日本人観光客の休憩所のようになっていて、地方のおみやげ物屋を連想させる。そこにブランド品を売る店が沢山はいってる。高級ってなんだろう。高ければ良い物っていう考えはやっぱり間違っているなあ。品物の良さはやっぱりその作り手の意思と関わってくるように思う。一概に言うのもどうかと思うがブランド品はいらねえや。
ピカデリーサーカスを早々に退散し、テートモダンへ。皆が良いと言うので行ってみる。しかしどうもやっぱりモダンアートって言うのは好きになれない。きっとこの有象無象のモダンアートと呼ばれるものの中の、0.01%とか、もっと低い確率かもしれないけど、とにかく、ほんの一握りの作品だけが100年後まで残るのだろう。その時間に耐えてきた作品を見慣れていると、どうもほとんどの作品が10年ももたないもののように思える。まあどうでも良いけど。
それでも面白いのも一個か二個あった。5階建てくらいの美術館。
18時からグローブ座の人と会うことになっているので、テートモダンの隣にあるグローブ座へ。ジャニーズの演劇やってるところはここを模して建てられたはず。
劇場を見せてもらう。野外劇場。とても静か。ここでやったらつまらない演劇も8割増しくらいで見えるかも知れないな。
帰って寝る。
11月26日
起きてご飯を食べようと思ったが日曜だからか、レストランが混んでいて並んでいる。面倒なので部屋でカップラーメンを食べる。味が無いなあと思っていたら案の定、底の方にヘドロのように調味料が沈んでいた。
地下鉄でヒースロー空港に。こっから一時間くらい。チェックインして空港で二時間くらいブラブラする。空港になんでもあった。姪っ子と甥っ子にチョコとか、稽古場に紅茶とか買う。
飛行機に乗り込み上空からロンドンを眺める。しばしの間。
雲の上に至り、昼の国から夜の国へ。
テレビで解決ビフォア&アフターを見る。あとは本を読んで過ごす。ご飯を食べて、日本時間で夜中の2時になったので寝る。4時に起きてしまった。もう一回寝ようと試みたが中々寝れないので止める。飛ぶ教室の原稿に取り掛かる。数時間で終わる。
機内がざわめきだしてご飯が出たので食べる。飛行機のこの感じが好き。
本を読み、日記などを書いていたらまたご飯が出たので食べる。夜の国は朝の国に。
もうあと二時間で着く。窓の外を見て過ごす。
北海道らしきものが見える。
そしたらもう、千葉っぽいのが見える。
成田に着いた。成田エキスプレスで品川へ。歩いて家に帰る。家でご飯を食べる。これはもう27日の日記か。
11月27日
成田から帰って家でご飯を食べる。パソコンを開いてメールのチェック。色々返信しないとなあ。
喫茶店に行き仕事。あたらしいポメラで書いた。これは良いぞ軽いし。
夕方に代官山へ。混んでいる。日曜日か!
中目黒で靴を買った。靴ばっかり買いすぎだ。
品川で友達とモツ鍋を食う。
11月28日
起きて昼ご飯を食い、喫茶店へ。これを書いている。こっからが仕事だ。あんまり進まず、8時くらいまで仕事する。
帰ってマンガを読んで、部屋を片付け、風呂に入り、本を読んでいたら5時くらいになってしまい慌てて寝る。
11月29日
昨日のつけで眠い。本格的にベッドを出たのは13時過ぎだった。新聞を読み、寿司を食い、銀行に寄って喫茶店へ。すでに15時半。働かねば。
なかなか書けぬ。今は物語をやっている。苦手というか、興味の無い分野。だからか、書けない。だけど、これも必要な筋力と思い、鍛える所存。信じてやるだけですな。
布団に入り朝まで最強伝説黒沢を読み返して寝た。
11月30日
起きたら4時過ぎ。やってしまった。昨日5時くらいまで起きてたのがいけなかった。憂鬱な気分で喫茶店へ。途中パソコンを忘れたことに気づいた。ショック。戻るのが悔しいのでレポート用紙とペンを買う。久々に手書き。小説のプロットをたてる。たまには手書きもいいものだ。
帰ってマンガを読んだり部屋の掃除をしたりして風呂に入り本を読んで寝る。今日は四時には寝た。明日は三時には寝る。

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