髪を切って数日経ちますが、その間に一般社会人の皆様からいただく評判は上々であって、まあそこそこ自分としてもようやくそういう一般社会人の仲間入りができたような気が今さらながらに実感できたような気分でまんざらでもないのであります。
しかしながら自分はバンドマンであるという一側面もあるワケでありまして、しかもロックなんてものををやったりしているロッカー、、、と言うとちょっと違う気もするので、ここはロックバンドマン。 うん。そうしよう。 ロックバンドマンなんであります。
というようなことを言ったりすると、カッコ良いようなことゆうてまたおのれの部屋でちまちまギター弾いたりしてるだけなんとちゃうのん? なんてなことを思われるかたもいらっしゃるかもしれないのでもっと言いますと、来年の1月には神戸、2月には京都でワンマンライヴまで控えているんであります。 というようなことも言ったりすると、また高い金払ろてまで店貸し切って仕事仲間や家族に無理矢理頼んで来てもろたりしてるんやろ? なんて思われるといけないのでさらに言っておきますと、お店には一円たりとも払ってはおりませんし、貸切という方法ではなく店側からお誘いいただいた上でブッキングしてもらっているというカタチでもってライヴハウスに出演しているのです。
しかしながらよく考えてみますと、そういうふうに思われてしまうというのはやはり一般社会人然と短く切った髪型と、自分も一方では永年にわたり一般社会人として社会の歯車となってしまっているという事実がその醸し出す雰囲気などから知れてしまっているからでありましょう。
これはいけません。 これは。
ロックバンドマンとしてこれではいけません。
って言うかこの場で敬語で話している時点からもうダメなんであって、やはりロックバンドマンとしては語尾に 「だぜ」 なんて言うほうがロックバンドマンらしいんだぜ。 うむ。 カッコいいだぜ。
それからやっぱり見た目は重要だぜ。 ロックバンドマンのイメージっていうと髪型は長髪、もしくは極端な短髪。 革地に鋭利な鋲の並んだリストバンド。 豹やワニなどのアニマル柄のパンツやシャツ、、、などが挙げられるのだぜ。 とにもかくにも、奇抜なスタイルでないといかんのだぜ。
しかしながら自分は、、、と言いかけておっとぅ、そんな言い回しも一般社会人臭いぜ。 言い直すぜ。 疲れるぜ。
だけど俺はそんな洋服やアクセサリーを持ってないんだぜ。
だったらさぁ、、、ちょっと待て、この言い方はなんだかメディア関係者みたいでダメだぜ。 やり直すぜ。 まじ疲れてきたぜ。
ならよぉ、持ってないんだったら自分で作っちまえばいいんじゃん? おっ、この 「じゃん?」 って語尾上がりの言い方イケてるじゃん? だんだんさまになってきたぜ。 いえい。
ちょうど子供の折り紙ケースの中に豹柄、ゼブラ柄、ワニ柄、キリン柄、ゾウ柄、レッサーパンダ柄、コアラ柄、テンジクネズミ柄の折り紙があったんだぜ。 これを破れたジーンズに接着剤でところどころに貼り付ければパンツは完璧じゃん? イカしてるぜ。
あとはシャツだぜ。
うぉう。 シャツはいかんともし難いぜ。 シャツくらい買おうぜ。 よぉし、出かけるぜ。
さっき自作したパンツを履いて、、、行くにはちょっとばかし勇気がいるのだぜ。 ここは景気づけにコップ酒を、、、イヤやっぱりロックバンドマンは日本酒と違ってバーボンじゃん? ボトルごと一気に飲るぜ。 イケイケじゃん?
自作のパンツは歩くと腿の辺りに貼り付けたコアラ柄とテンジクネズミ柄の折り紙が擦れ合ってガサガサいうけどなかなかの力作だぜ。
そのうち洋服店を発見したので入ったのだぜ。
店員とこのように話す時もロックバンドマンらしく話さなければいけないぜ。 日本語を話しつつもそのイントネーションは独特のものでないとならないのだぜ。 例えば 「私は」 は 「うぇてぇ〜しうわぁ」 で、 「〜を」 と言うのも 「〜うぉ」 と言うのだぜ。 完璧じゃん?
ところが出かける前にがぶ飲みしてきたバーボンが今になって効いてきたのと、折り紙を貼り付ける時の接着剤を吸い込んだのが効いてきて、ほとんどロレツが回らずうぇだのうぉだの話すうち、店員がレジカウンターの奥へ走って行ってどこかに電話をかけているので、誰か話しのわかる人を呼んでいるのだぜ、と思っていたら、そのうちサイレンの音が近づいてきて、俺は男二人に両脇を抱えられて車に押し込められ、どこかの小部屋に連れて行かれて尿検査をされたのだぜ。
ダサダサじゃん?

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