解説
19世紀後半、文化史に多大な影響を与えた女傑ルー・サロメと大哲学者フリードリッヒ・ニーチェ、さらに彼の弟子パウル・レーとの愛と思想の妄執を描く。日本では1985年に「善悪の彼岸」のタイトルで116分の英語版が公開されたが、40箇所以上が修正された。今回のイタリア語版・ノーカット版では修正箇所は4箇所のみで、数多くの場面が復元された。監督は「愛の嵐」のリリアーナ・カヴァーニ。出演はドミニク・サンダ、エルランド・ヨセフソン。
ストーリー
1882年、ローマ。女権論者フォン・マイゼンブーク女史(カルメン・スカルピッタ)のサロンで若い哲学者パウル・レー(ロバート・パウエル)は、魅力的なロシア人女性ルー・サロメ(ドミニク・サンダ)と知り合い、彼女に魅了される。古代ローマの遺跡を散歩しながら、いきなりルーに求婚するパウル。しかし「結婚なんて牢獄と同じよ」と言う彼女は、二人の男性と共同生活をしながらともに学問をする夢を語る。そこで彼は友人の哲学者ニーチェ、通称フリッツ(エルランド・ヨセフソン)を仲間に入れることを提案する。阿片を吸い快楽に耽る生活を送るフリッツは、たちまちルーに心を奪われ、ナウムブルグの実家に招く。しかしフリッツを崇拝する妹エリーザベト(ヴィルナ・リージ)は、ルーに激しい嫉妬を抱きヒステリーの発作を起こす。ルーは、フリッツを残してライプツィヒに向けて発つ。エリーザベトは母親や婚約者を味方につけ、フリッツからルーを引き離そうとするが、彼は家族と決別しルーとパウルが待つライプツィヒへと向かう。ライプツィヒで“三位一体”の共同生活が始まる。希望に燃える彼らは記念写真を撮る。しかしこの共同生活も、ルーをめぐるフリッツとレーの嫉妬が原因で崩壊してゆく。ルーは医学を学ぶレーと共にベルリンに行き、フリッツはヴェニスへと旅立つ。ルーはフリッツから自殺をほのめかす手紙を受け取り、彼に会いに行くがホテルの入口でためらう。そしてカール・アンドレアス(ミシェル・デガン)という男の脅迫同様の求婚を断れなくなり、ルーは彼と結婚する。失望したレーは姿を消す。フリッツは、ドゥルカマラ(悪魔)と若いゴンドラ乗り(キリスト)が踊っている幻覚を見て発狂する。やがてルーは、レーの死の知らせを聞くのだった。
スタッフ
監督
リリアーナ・カヴァーニ
製作
ロバート・ゴードン・エドワーズ
脚本
リリアーナ・カヴァーニ
フランコ・アルカッリ
イタロ・モスカーティ
原案
リリアーナ・カヴァーニ
撮影
アルマンド・ナンヌッツィ
美術
ロレンツォ・モンジャルディーノ
フィオレンツォ・カッタネオ
装置
ネッド・アジャーニ
音楽
ダニエル・パリス
指揮
ダニエル・パリス
編集
フランコ・アルカッリ
衣装
ピエロ・トージ
キャスト
出演
ドミニク・サンダ
Lou Andreas-Salome
エルランド・ヨセフソン
Friedrich Nietzsche
ロバート・パウエル
Paul Ree
ヴィルナ・リージ
Elisabeth Nietzsche
フィリップ・ルロワ
Peter Gast
カルメン・スカルピッタ
Malvida
アメディオ・アモディオ
Dottor Dulcamara/il diavolo
ミシェル・デガン
Karl Andreas
ニコレッタ・マキャヴェッリ
Amanda
エリザ・チェガーニ
Franziska Nietzsche
ウンベルト・オルシーニ
Bernard Foester

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