東京女子医科大学の心臓外科手術を受けた女児が死亡した事件に関連して、事実とかけ離れた内部報告書とこじつけにより過失を問われて逮捕され、裁判を戦い続けてきた佐藤一樹医師(綾瀬循環器病院心臓血管外科)に、東京高裁で無罪判決が出された。おめでとう。
「医療がかかわって人が亡くなっているのに犯人がいないなんて許されない」と考える人を中心として、この無罪判決に納得のいかない人は、いるだろうと思う。しかし百歩下がってその理屈を認めるにしても、私が知る限りの情報から判断するに、佐藤一樹医師を犯人に仕立て上げるのは、冤罪である。
佐藤一樹医師は、ここまでの経過を膨大な文章にまとめて、ブログに詳細に掲載している(→
「紫色の顔の友達を助けたい」)。今日の日付で、ここまでの8年間、どのようなものに恐怖し、どのような人に怒り、またどのような人に支えられ、助けられてきたかを、簡単にまとめておられる(→
「『目に見える権力』への怒りと『目に見えない権力』の恐怖の8年間と正義感のある方々への感謝」)。時々誤字もあるがご愛嬌。犯人に「された」ことが、佐藤一樹医師の人生をどれだけひん曲げたか、この短い文からだけでも十分うかがい知ることができる。
事故の詳しい内容は、なんだかとても忙しい今月の私がまとめるのは無理だなと思っていたら、私とほとんど同い年(2日違いくらい)の、いつもはあんまりきれいな言葉遣いではないakagama先生のブログに、akagama先生らしくない(失礼)ちゃんとした記事(→
「日本医療崩壊史〜東京女子医大人工心肺事件」)でまとめてある。是非こちらも一度ご覧下さい。
佐藤一樹医師は、多くの人に支えられたこともあるのだろうが、よくここまで頑張ってこられたと思う。もし私が同じ境遇に追い込まれたら、かなり最初の方で「もういいです。有罪で。」と折れてしまい、周囲の人も「犯罪者の仲間」に陥れてしまっていただろうと思う。今は大丈夫、
「供述調書には署名しない」ことだけは、肝に銘じている。
犯人がいないところで犯人捜しをしても、不幸な人が増えるだけだ。佐藤一樹医師をどうしても犯罪者に仕立て上げなければ気が済まない人がいるなら、その判断は間違っている。どうか心の整理をつけ直してほしい。亡くなられたことは本当に残念だが、佐藤一樹医師がその原因を作ったのではないことだけは、はっきりしている。
長い戦い、本当にお疲れさまでした。検察が無理な上告をしたりしませんように。