福田首相は本日昼前、対アフリカODAを2012年までに倍増する考えを明らかにした。昨日財政制度等審議会の財政構造改革部会からODA削減を堅持する方針が発表されたのに対抗したものと思われるが、大丈夫か福田内閣。
記事は次のとおり。
対アフリカODAを倍増=12年までにインフラ整備など−福田首相
5月20日11時1分配信 時事通信
政府開発援助(ODA)の戦略的対応を話し合う政府の海外経済協力会議が20日午前開かれ、アフリカ支援について協議した。福田康夫首相は同会議終了後、道路を中心としたインフラ整備やコメ生産倍増を含む農業対策、母子保健の強化などを図るため、対アフリカODAを2012年までに倍増する考えを明らかにした。
28日から横浜市で開かれるアフリカ開発会議(TICAD)を控え、アフリカの成長促進に向けた「力強いイニシアチブ」(福田首相)を示すのが目的。対アフリカ民間投資を08〜12年の5年間で倍増させるため、ODAや国際協力銀行の投資金融、貿易保険などで支援する方針も併せて示した。
(記事ここまで)
一方、昨日の財政審の動きは次のとおり。
ODA削減方針を堅持=道路は先送り−財政審
5月19日19時13分配信 時事通信
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は19日の財政構造改革部会で、7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)を控え増額圧力が強まっている政府開発援助(ODA)予算について、厳しい財政事情を踏まえ、毎年度2〜4%削減する従来方針を堅持することを確認した。6月上旬にまとめる建議(意見書)に盛り込む。来年度の一般財源化が閣議決定された道路特定財源に関する議論は先送りし、政府・与党による検討作業を当面見守ることにした。
(記事ここまで)
アフリカ向けのODAは、日本のODA全体の約10%を占める。しかしその金額は、徐々に減少している。国の財政が厳しいんだからODAを減らそうと考えるのも当然だが、ODAには「外交戦略の武器」としての側面があり、これも減らせば減らすだけいいというものではない。
多くの国がアフリカを重視している理由は、いくつかある。
・今後発展の余地が大きく残されている。
・国の数が多く(53)、味方につけると国連などで優位に立てる。
・逆に敵に回すと国際社会で不利になる。
・人口が多く、正しく発展してもらわないと世界の重荷になる。
日本のODAは多くの国の発展に寄与しているが、それによって日本の国際的地位が相応に高まったかというと、そうでもない。これは「外交戦略の武器」として使うことが上手でなかった、お人好しだったという側面も否定できない。
たとえば中国にはODAという名目で多額の寄付をしてきたが、その中国は日本からODAを受け続ける一方で着々とアフリカ諸国へODAを積み上げて、アフリカ諸国を味方につけてきた。2005年頃、日本が国連常任理事国になれるかもしれない流れになった時に、AU(アフリカ連合)の賛成を取り付けられなかったのは、中国が裏で日本の常任理事国入りに反対したためだといわれている。
そのようなわけで、アフリカ向けのODAはないがしろにできない日本であるが、無い袖(本当にないのかどうか知らないが)は振れないのも事実。どのあたりに妥協点を設定するか協議・調整して、国民にもわかるように説明するのが政治の腕の見せ所だと思うのだが、財政審にも首相にもそのような姿勢が見えないのが残念だ。