日韓交流史理解促進事業実行委員会編2006『日韓交流史理解促進事業調査研究報告書』同会 佐賀(2005年度事務局)
2001〜2004年度に実施された,日本側4県(福岡・佐賀・長崎・山口)と韓国側1市3道(釜山広域市・全羅南道・慶尚南道・済州道)とによる文化財担当者の共同調査の報告書。
日本側から派遣された29名が,原則一人4ページの分量で,調査報告を書いている(2回派遣された者は8ページ)。時代は旧石器から近世までと幅広く,また史跡整備のあり方をめぐる日韓比較などもある。
近世関係のみピックアップする。
市川浩文「倭城の石垣と名護屋城の石積み技術について」pp.58-61
野田利男「朝鮮通信使にみる近世の日韓交流」pp.62-65
家田淳一「韓国出土の近世日本陶磁」pp.66-69
山崎和文「肥前大甕の成形技術と済州陶器」pp.70-73
川口洋平「中近世の日韓交流−陶磁器をめぐって−」pp.98-101
林隆広「西生浦倭城について」pp.102-105
谷口哲一「山口県内における近世遺跡出土の朝鮮王朝陶磁」pp.134-137
上山佳彦「萩焼にみる窯体構造と窯道具の変遷」pp.138-141
※家田報告については,関係論文として下記のものがある。
家田淳一2006「朝鮮へ輸出された江戸時代の肥前・対州磁器」『財団法人鍋島報效会研究助成研究報告書』第2号 pp.59-85(
2/21の記事参照)
※上山報告では,萩焼と肥前・薩摩焼等を比較し,「各地の初期段階の窯道具や窯詰めの目積み方法の相違は,朝鮮陶工の出身地域や出自窯ごとの流儀の違いの反映であり,受容・地域化の過程での各窯ごとの取捨選択の結果と考えられる」(p.140)とする。
※いずれも短報なので,別の形での,よりまとまった成果報告を期待したい。