「C・S・ルイス『ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)』」
ナルニア国ものがたり
映画化されるし、古典だし、『指輪物語』も読んだことなので、読んでみようかと。
あらすじ
『ナルニア国ものがたり』は架空の国ナルニアを舞台にした連作長編。7つの長編からなり、それぞれが読みきり型で独立しつつも、1つの広大な世界観を形作っている。原題の『Chronicles of Narnia』の通り。
本書はそれの第1巻で、第2次大戦中にロンドンから疎開した田舎の屋敷にした4人の兄弟が、屋敷を探検するうちに衣装タンスからナルニア国へと迷い込んでしまう。
その頃のナルニア(なんせ年代記なので)は、ナルニア中を冬に変えてしまい、自分に逆らうものを石像にしてしまう恐ろしい「白い魔女」が支配していた。4人はナルニアを創造した伝説のライオン「アスラン」と力を合わせ、魔女を倒し、ナルニアの新たな王となる。
感想
『指輪物語』と違い、完全に児童向けに書かれた話のようで、読んでて特に心を動かされるということはなかった。ルイスはトールキンほどの暗い情念は持ってなかったのでしょうか。
ナルニアの世界観はキリスト教徒とギリシャ・ローマがごっちゃになった感じ。ナルニアには人間がおらず、迷い込んだ子供たちが「アダムの息子、イブの娘」として丁重に扱われたり、魔女がリリスと巨人族の末裔だったり、小人やグリフォン、サイクロプス、セントール、妖精が登場する。アスランはまだよく分からない。ザラ家の一人息子ではない様子。
お話の特徴は現代小説と比較して、主人公たちの果たす役割が小さいところ。もちろん主人公だし、登場頻度は高いんだけど、戦いのメインはアスランVS魔女であって、主人公たちはそのサポートという立ち回りです。これって現代小説じゃありえないでしょ。子供が弱いから戦場では役に立たないのは当たり前なんですけど、そこをなんとか活躍させるのが児童小説というものではないかと。いちおう次男が魔女の杖を折ったりはするんですけど、そもそも子供にガチンコの物理的な戦いをさせることに無理がある気がする。児童小説の名作
『二分間の冒険』ではちゃんとなぞなぞで戦ってましたよ。これがキャラクターを描くか、世界を描くかの違いなんでしょうか。
映画ではお話は置いといて、映像に期待。モンスターや合戦シーンが見所でしょう。個人的に末っ子のルーシィがおしゃまで好きなんですが、俳優みたら微妙だった。アスランも見た目はただのライオンだし。ビジュアル的にジャングル大帝に負けてます。