ここで、「大学のスタジオ化」について考察してみたいと思う。
これは新カリキュラムになる前からだろうが、卒業制作を作るグループ間の情報交換や噂話は多く、ちょっとした撮影所のような雰囲気になっている。そこに目をつけた中島貞夫氏が、もっと実践的、具体的に云えば一気に監督デビューに発展できるような作品製作をやらせたいと思ったのではないかと思う。実際、卒業制作のカリキュラム説明の時にそのような事を言っていたのを今でも覚えている。
その為には、劇場公開出来る最低フォーマットである16ミリでの作品製作をカリキュラム化する必要があったのだろう。
たしかに16ミリは金がかかる。かかるが故に気合も入る。私達もなんとか良い役者を揃え(結果的にプロを連れてこれたワケだが)、セットを建て、ロケも大阪の南部から神戸まで足を運んだ。他の班でも鳥取砂丘までロケに行ったり、原寸大に近い戦闘機の造型などがあった。
この方針は後輩にも少なからず影響を与えたのではないだろうか?後輩の中には九州までロケに行く者、バーやクラブ、工事現場など徹底してロケ場所のこだわった者など、だんだんと発展していった。
この成果が「鬼畜大宴会」であり、「どんてん生活」などだろう。
大阪芸大はその後、大学院でのスーパー16ミリから35ミリのブローアップ作品製作、ついには本当のスタジオを作ってしまった。
今でも大阪芸大の作品は高い評価を受けているようで、昨年のPFFでは卒業制作がグランプリを取っている(ちなみに意外だが、グランプリ受賞者は初ではないか?スカラシップ獲得者で大阪芸大出身は4名いるが)。