前回の愛ルケ以降、3本ほど映画を観た。
(ちなみに「やわらかい生活」は観ながらウトウトしてしまい(やはりDVD鑑賞は苦手)、しっかり感想を言えないので、割愛。)
観たのは
「幸福な食卓」「どろろ」「海でのはなし。」の3本。
簡便に感想をいうと、
「幸福な食卓」…意外と余韻の残る映画。90年代の日本映画のように観客が考える振幅を多くもった映画。個人的には好き。ただ、最近の説明過多の映画に慣れている人は苦手かも。
「どろろ」…手塚プロ、あれでオッケーしたのか?原作のおどろおどろしさや、恐怖感は殆ど無い。僕ならどろろは志田未来か谷村美月あたりにやらせる。中井貴一も明らかにミスキャスト。あと、変なワイヤーアクションを活用した殺陣は、時代劇(というかチャンバラ)には、合わない。
「海でのはなし。」…後から書くが、映画館で上映する以前の問題がある。ホントに80年代の自主映画みたいだ。移動撮影も殆どないし、特撮も無い。照明も見ていて当て方が分かりそうな感じであった。撮影がCMなどをよく撮っている松島孝助だったので期待したが、助手の一番下にいた近藤龍人(「ばかのハコ舟」や「リアリズムの宿」の撮影をしている)に撮らせた方が良かったのでは。
で、愛ルケを含めて2週間で3本ほど観たわけだが、「幸福な食卓」以外、全てビデオ(HD含む)で撮られている。
「幸福な食卓」はさすがだ。画面の暗い所も気にならず、画面全体が安定しており、落ち着いて作品の筋に集中して観られる。
「愛ルケ」「どろろ」はHD撮影だと思われるが、まず暗部のノイズが両作品とも酷い。黒いはずのところで、赤緑青といった色の粒子が踊っている。いつのまにフィルムレコーディングの技術はこんなに衰えたのだ?!以前はここまで気にならなかった。
あと、「どろろ」は色をいじりすぎ。カッコよく魅せたいのは分かるが、シーンが変わるごとに色をコロコロ変えていると、妙なコントラストの高さも相まって目が疲れる。
「海でのはなし。」はさらに酷い。何を使って撮影したが判らないが、今作はプロジェクター上映だったのか、全く黒が黒でない映像を延々と流していた。海がタイトルにあるが、海の青さが映えることも無く、ハッキリ言えば、金を取って人に見せてよいクオリティの画質では無かった。自主映画の上映の方が、よっぽど良い画質で見せているぞ。
HDの登場により、いわゆる商業映画はとにかくランニングコストを安く上げることを優先しているのか、最近は暗いところでもとりあえず撮れたといった映像を平気で観客に見せている。一方では、安価で手に入るハイビジョンハンディカメラの出現により、思いつきのように企画制作された作品を「映画」と銘打って興行している。
先日の「クローズアップ現代」で日本映画の復調を特集していたが、最近の映画を観るにつけ、ここでもう少し気を引き締めて、「観客に見せる」ということを意識しないと、単なるブームで終わってしまうような気がしてならない。
