「アルケミスト」
著:パウロ・コエーリョ(角川文庫)
推薦者池上崇士
読書嫌いだった中学生の頃、いつも退屈そうにしていた僕を見るに見かねた姉が言いました。「この本読んでみなよ、世界観変わるよ。」
正直な話、全く信じていませんでした。読書に興味のなかった僕は、たかだか500円程度の文庫本で世界観が変わるはずがない、それどころか読み終わるのですら難しいだろうと思っていました。
それでもしつこく薦めてくる姉の熱意に負け、渋々ページを開くことになって驚きました。結構すらすら読める・・・最後まで一気に読んでしまいました。
主人公のサンチャゴは羊飼いの少年です。
羊たちを連れて多くの土地を旅する途中、訪れた町で、ある老女から「エジプトに行け」という不思議なお告げを聞きます。
それをまったく信じなかったサンチャゴでしたが、いろんな偶然が重なります。繰り返し見る夢、謎の老人との出会い・・・。。
サンチャゴはまるで何かに導かれるように、エジプトに向かう決心をするのです。
童話調に描かれたこの本には人生の教訓がぎっしり詰まっています。
全てを理解した訳ではありませんが、いつの間にか自分も主人公サンチャゴ
に同化していました。
読み終わったとき、ほんの少し、モノの見方が確かに変わっていたのです。
僕自身が何かに導かれたかのように・・・。。
この本はきっと、読者の年齢や心の状態などで捉え方が違ってくる本です。
訳も分からず一気に読破した中学生の僕。
大人になって読み返して「人生で簡単に見えるモノが実はもっとも非凡なんだよ」という謎の老人の老人の言葉に多いに共感した僕。
いつでも新鮮に、何かに導かれていくような、そんな不思議な本なのです。。