「バレエ教師アレクサンドル・プロコフィエフの追悼公演」
2008年6月
スタニスラフスキー&ネミロヴィッチ=ダンチェンコ記念モスクワ国立音楽劇場では、伝説的バレエ教師、アレクサンドル・プロコフィエフを追悼したバレエの夕べが開催されました。
彼は、男性の古典舞踊を教授し、その教え子たちは世界中の最も名高い舞台を代表するソリストに成っています。1年前、65歳を目前にしてアレクサンドル・プロコフィエフはこの世を去りました。
6月24日、彼を追憶して、ボリショイ、マリインカ、キエフ国立オペラ劇場、スタニスラフスキー&ネミロヴィッチ=ダンチェンコ劇場のスターたちが出演。この夕べはバレエ界のスターたちが亡き恩師に捧げる贈物になりました。
夕べにはバレエ界のbeau monde(上流社交界)が全員集合しました。アレクサンドル・プロコフィエフには同僚や教え子の中に数多くの友人がいたからです。昨晩、彼が生きていれば66歳を迎えたはずでした。
アンドリス・リエパは4年間プロコフィエフに教わりました。その後、最も華麗なプロジェクト、《ロシアン・シーズン》を共に開催しました。
(アンドリス・リエパ/公演監督・プロデューサー)
彼を通じて“ロシアン・シーズン”と関わりを持ちました。彼にはバレエ団があって、その団員たちとあの驚異的なプロジェクトを実行したのです。
“火の鳥の帰還(Return of the firebird)”という映画を撮影しました。このプロジェクトの主任バレエマスターがアレクサンドル・プロコフィエフでした。
ゲンナジー・ヤニンは、卒業生クラスでのプロコフィエフ先生のデュエット・ダンスの授業をずっと覚えています。教え子から“サン・サーヌィチ”と呼ばれていた彼は、怠け癖がついた少年たちをレッスンでチューンアップさせることが出来ました。クラスを欠席したり抜け出したりするチャンスは皆無でした。
(ゲンナジー・ヤニン/ロシア功労芸術家)
バレエには訓練が欠かせません。厳しいアプローチが必然で、それ無くしては、なにも達成できません。でも、生徒たちが辛さのあまり意欲を失ってしまうのはごく自然なことです。
ですから、教師に与えられた課題は、彼らに練習させること。でも、諭し方もソフトでなければ功を奏しません。相手に気づかれないほど上手くデリケートに指導する必要がありますが、彼は常にそれが出来ました。
プロコフィエフはイルゼ・リエパに《シェヘラザード》を稽古しました。彼には自分のバレエ団があったので、男性パートのみを暗記していたわけではありません。画家のアンナ・ニェージナヤは、彼が《ペトルーシカ》《火の鳥》を復元していた時に初めて会いました。その後、《くるみ割り人形》の装飾を担当しました。
(アンナ・ニェージナヤ/画家)
画家としてあの美しい、並外れて木目の細かいお人柄を忘れられません。もちろんですが、プロ意識の高さにも驚かされました。
この夕べには、プロコフィエフの娘、アナスタシーアが米国から駆けつけました。彼女は父親を見習い、最初はバレエのキャリアを積み、今は教師です。このようなレベルの教師を父に持つことは、楽ではありませんでした。
(アナスタシーア・プロコフィエワ)
父が職業上の影響を私に与えたとは言えません。彼は常に自分の教え子に全力を注いでいましたから。私は日陰の存在でした。
ボリショイで20年目のセルゲイ・フィーリン。彼にとって今年は最終シーズンです。バレエのキャリアを終えた後、スタニスラフスキー&ネミロヴィッチ=ダンチェンコ劇場バレエ団の芸術監督に就任します。(既に就任)プロコフィエフの授業がここでも有益であると確信しています。
(セルゲイ・フィーリン/ロシア人民芸術家)
授業は難しく、ハードでした。彼には「もう限界です。」と言って“お情け”を請いましたが、「fight fire with fire=くさびをくさびで抜け!」と言われました。
プロコフィエフの写真がキエフ国立オペラ劇場の主任バレエマスター、ヴィクトル・エゴレンコの陳列棚に架かっています。ヴィクトルは自分の教師をたびたび“リファール・コンクール”の審査員として招いていました。自分の劇場での上演作品に関するプロコフィエフの意見を尊重していました。
(ヴィクトル・エゴレンコ)
私がリハーサルをしたり、プロデュースしたりするときに、彼が彼自身の先生、ニコライ・イワーノヴィチ・タラーソフの言葉を使って指導したように、今では私もその同じウィットに富んだ言葉を使って自分の団員を指導しています。
この公演にはアレクサンドル・プロコフィエフの教え子6人が出演しました。彼らはもう、とっくの昔からスターです。ボリショイのプレミエール、ユーリ・クレフツォフも彼の同僚も、プロコフィエフをバレエの教師としてだけではなく、人間関係の大切さを教えてくれた友として覚えています。

サムネイル映像は
ここをクリック