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お茶の木の発祥はどこで何時ごろかという話題は 専門家の間でも話題にことかかないようです。かつてはインドのアッサム説を欧米人が唱えたりと 色々でしたが、現在のところ 現中国の雲南省あたりと落ち着いているようです。この地域は 茶の木だけでなく 蘭の原種があったり古くからの動植物がもとのままが多く保存されている地域でもあるそうで たぶん近代的な開発が進んでおらず 幸いにも「秘境」だったことと関係してると言えそうですが、樹齢のかなり古い茶樹が存在してる事実があります。ギネスブックにも載ってる樹齢2000年をこえる茶樹も雲南省にあります。
お茶の発祥という話題では やはり興味のつきないところですので、ちょっとまとめてみました。なお、日本では古茶樹は多くないですが、それはあまり関心ももたれなかったり、近代化に淘汰されてしまったといえるのかもしれません。日本の茶農は 生産性の落ちた茶木をすぐ植え替えてしまうそうです(経済的メリットがない?)。
※この地図は可能な範囲であり、おおまかなものです。
正月滇南春色早,山茶樹樹斉開了。
艶李夭桃都圧倒,装点好,園林処処紅云島。
〜楊慎(1488〜1559 Ch.)―漁家傲・滇南月節詞
…普茶名重於天下. 此滇之所以為産而資利頼者也. 出普洱所属六茶山. 一曰攸楽, 二曰革登, 三曰倚邦, 四曰莽枝, 五曰蛮耑, 六曰漫撒, 周八百里. ……猶為吾遠祖檀倬墓志, 則尚存也. 其事記滇中頗多. 足補史缺云. 茶山有茶王樹. 較五茶山独大. 本武候(諸葛孔明)遺種. 至今夷民祀之. …
〜巻11, (清)檀萃・撰『滇海虞衡志』~1799~
・・・思茅志稿云, 其治革登山有茶王樹. 較衆茶樹高大. 土人当採茶時. 先具酒醴礼祭於此.…
〜(清)阮福―『普洱茶記』~1825~
reference;→
Map(postscript)/Puer tea 1,
2
〈中国雲南省/滇・三大古茶樹〉
●哀牢山野生茶樹(~樹齢2700年~)樹高25.6m,幹幅0.9m,周囲2.8m;思茅鎮源県・九甲郷千家寨・哀牢山(標高2500m)麓。野生茶樹王。ギネスブックにも載ってる現在確認されるもので最古の樹齢。なお推定2700年前は西暦紀元前692年。中国史では春秋時代。まだ孔子もブッダも生まれてない頃に芽吹いた茶木ということになります。8世紀中国、最古の茶書『茶経』の編著者・
陸羽は、その冒頭で「茶は南方の嘉木」で喬木というニュアンスで述べていますが、こうした喬木茶樹を指していたのかもしれません。少なくとも陸羽のいた頃、すでにこの茶樹はかなり大きかったでしょうか?
●南糯山(栽培)茶樹(~樹齢800年~)樹高5.48m,葉長平均14.9cm;西双版納[イ泰]族自治区[孟力]海県。1958年発見。この茶樹王は栽培樹で最古とされています。発見時記録では樹齢600〜800年の茶樹が三株とあり。残念ながら樹齢800年の樹は枯れてしまったようですが、別の樹齢500年ほどの古茶樹を二代目として指定しているそうです。800年前は西暦1208年、中国史では南宋時代、日本では鎌倉時代です。
●巴達山古茶樹(~樹齢1700年~)樹高20m/32.12m,幹幅0.8m,周囲2.5m,葉長平均14cm;西双版納[イ泰]族自治区・[孟力]海県巴達海抜1500m。1961年発見。この茶樹王は、一般的な茶(Camellia sinensis:中国種とアッサム種とその雑種がある)―の近縁種で、"Camellia taliensis"。一般的に飲用にされる茶樹といえるか不明ですが、"C.taliensis"は高木に育つタイプらしく、この古茶樹は大風で折れる前は樹高32.12mもあり、最大の大きさを誇るものだったということです。1700年前は西暦308年。中国史では三国志が終わった西晋時代、日本は古墳文化の時代です。
他に
○景東大茶樹(~樹齢120年~)樹高7m,葉長平均11cm;思茅景東彝族自治区。1959年発見。
(景東県の花山、無量山にも野生古茶樹。)
○鎮康大茶樹(~樹齢?~)樹高11m,葉長平均15.5cm;臨滄鎮康全県に分布。ほか鳳慶、雲県。
(雲県新村に野生古茶樹。)
○振太大茶樹(~樹齢?~)樹高12.15m,葉長平均12cm;思茅景谷[イ泰]族彝族自治区の海抜2000m付近。
(景谷の秧塔に古茶樹)
○蘇湖大茶樹(~樹齢?~)樹高11.3m,葉長平均10.6cm;西双版納[イ泰]族自治区・[孟力]海県。海抜2000m。1960年発見。
○曼宋大茶樹(~樹齢?~)樹高13.4m,葉長平均11.5cm;西双版納[イ泰]族自治区・[孟力]海県。1956年発見。
○昭通高樹茶(~樹齢?~)樹高10.08m,葉長平均11.5cm;昭通大関・綏江・塩津に分布。
○師宗大茶樹(~樹齢?~)樹高25m;曲靖師宗県。1976年発見。
○金平大茶樹(~樹齢?~)樹高17.9m,葉長平均12.5cm;紅江哈尼族彝族自治区・金平苗族瑶族[イ泰]族自治区。海抜2000m。数十株。
○普[シ耳]県困盧山・板山に野生古茶樹(~樹齢1000年~)。
(困盧山清真寺わきに栽培古茶樹(~樹齢400年~)がある)
○邦崴古茶樹(~樹齢1000年~);瀾滄県邦威に野生か栽培型の古茶樹。
(瀾滄県景邁、芒景に古茶樹園(~樹齢1000-1800年~)
ほか文山、新平などにも原生または野生大茶樹があるという。
〈六大茶山/瀾滄江内六座〉
易武(漫撒/曼撒)・倚邦・蛮磚(蛮耑)・革登・莽枝・攸楽(基諾)
〈瀾滄江外六座〉
南糯・南[山喬]・[孟力]宋・景邁・布朗・巴達
※中国科学院雲南植物研究所による調査によれば、雲南省で推定2億5千万年前の茶葉(Camellia sinensis)化石が発見されたのだそうです。また古茶樹は中国全体では各省にそれぞれあるそうです。ただ雲南省が、最も樹齢が古く巨木が多いということです。
参照。その他の国での古茶樹について
〈ベトナムの古茶樹〉
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●ソイザン古茶樹(~樹齢100-200年~/400年?);ベトナム北部イエンバイ省(Yen Bai)バンチャン県(van Chan)ニエロー市(nghia Lo)のソイザン(Suoi Giang 標高1400m)村の標高926m付近に Shan tea種(アッサム変種で大葉と小葉に区別される)の古茶樹があるという。またソイザン奥地に 野生シャン種が多く自生するらしい。
●ハザン古茶樹群(~樹齢300年~);ベトナム最北のハザン省(Ha Giang)カオ・ボー(Cao Bo)。樹齢300年以上の大茶樹が100株ほど自生するという。
○古茶樹(樹齢100-150年~)樹高3-4m,樹冠90-115cmほど;ベトナム北部ソンラ省(Son La 標高800-1000m)モクチョウ(Moc chau)県モクチョウ市(To Mua)の標高700-1000mに樹齢100年以上の栽培茶園(Shan tea)。
〈日本の古茶樹〉
※研究者の松下智さんによれば、日本の古茶樹の樹齢は400-500年以下という。まだ未知の古茶樹はあるのでしょうか? 沖縄県の山奥や 国立公園などで? 松下智さんの少々古い著書『日本名茶紀行』によると、沖縄県・久米島に地元でお茶山と呼んでいる山に 古茶樹があるらしいというが?
○北海道・古茶樹(樹齢約100年)樹高1m;北海道・積丹半島古平町禅源寺。1908年(明治42)、秋田岳転住職が同地に愛知県の茶苗を移植。日本茶樹最北端。
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●静岡県・古茶樹(〜樹齢300年〜)樹高4m,樹冠30m,幹幅10cmで20本ほど株立ち;静岡県藤枝市大久保瀬戸ノ谷。
○静岡県・やぶきた原樹(樹齢約40年);静岡県静岡市。1961年に県の天然記念物に指定。
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●佐賀県・古茶樹(〜樹齢約340年〜)樹高4m,樹冠8m;佐賀県藤津郡嬉野町不動山字上不動。1926年(昭和1)国の天然記念物指定。江戸期、佐賀県茶祖の吉村新兵衛が植栽した1本という。
●佐賀県・古茶樹(〜樹齢年〜);脊振山(標高1055m)麓の石上坊。
○鹿児島県・古茶樹(樹齢?)樹高4.5m,樹冠9.6×7.5m;鹿児島県霧島市牧園町。1937年(昭和12)天然記念物指定。だが1945年(昭和20)に枯れる。現在その挿し木が残り二代目(樹高7m,根回り1.5m)として霧島市役所牧園支所敷地内に残る。
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●古茶樹(樹齢1000年〜)樹高4.2m,樹幹5.6m;慶尚南道河東郡・智異山麓チョングム里・花開面双磎寺。2006年、河東野生茶文化祭りのオークションで100g1000万ウォン(当時レートで約120万円)で出品されたことがある。智異山麓にあり慶尚南道指定記念物264号。
〈インドの古樹茶〉?
ダージリン(Darjeeling;~標高1000m-2560m~)はかなり古くより中国種茶を取りよせ植えていたといいますが、ダージリンがイギリス統治のインドに併合されたのは1850年ですので、それ以降となるようです。樹齢150年ほどの古茶樹があります。アッサム(Assam;~標高150〜300m~)では、欧米人によるアッサム種茶発見は1823年以降ですが、発見された時点で古茶樹とおぼしき発見ですから樹齢200年以上の古茶樹があるのかもしれません(半野生や野生樹など含め)。南インドのニンギリ(Nilgiri;~標高1700-2000m)は19世紀中頃に茶を植えたとも20世紀後とも、ということで樹齢150年ほどの古茶樹があるのかもしれません。
〈スリランカの古茶樹〉?
セイロン(Sri Lanka;標高1200m-1890m~)茶は1870年代に始まったということですが、樹齢130年ほどの古茶樹があるのでしょうか? ある紅茶店の現地情報として、ウヴァの樹齢100年以上の茶樹が紹介されてたものを見たことがあります。
ネパール(Nepal;~標高2000m~)は1863年にダージリンから茶木を移植しはじめたとのこと。
インドネシア、ジャワ、スマトラなどは1848年頃とも。
アフリカ・マラウィには1878年より茶の栽培。
ケニア(Kenya;~標高2000m~)には1901年に茶を植えたとも。
イランでは1899年に北インドから茶木移植。
トルコでは1938年にはリゼにティープランテーションが作られています。
なお、ロシアで1833年、クリミアのニキティ植物園に中国種茶の種子が蒔かれたという。
※インド以下は細かく調べてませんが、インドなどでどのぐらいの古茶樹があるかは保留です。
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〜松下智『茶の原産地紀行』-茶の木と文化の発生をさぐる-(淡交社),2001
〜松下智『日本名茶紀行』(雄山閣出版),1991
〜布目潮風『中国喫茶文化史』(岩波書店),2001 etc........

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